いちおう、記録しておきましょうかね。
「超伝導」(超電導)というのは、物体の電気抵抗がゼロになる現象を言う。この現象を使うと莫大な電流を流す必要のある・莫大な電流だからこそ実現可能な機能を得ることが出来る。尊い応用として例えばMRI(核磁気共鳴断層撮影装置)。

(キヤノン)
があり、どっかの首長に邪魔されている超電導リニアモータカーなどがある。

(JR東海)
で。この現象が発生するには4K(-269℃)というほぼほぼ絶対零度が必要で、そのために特殊な冷凍機を運転し「ヘリウム」を冷やして液体として使っている。MRI受けた方は「きゅ~ぽん♪」とリズミカルに運転する謎の機械音を耳にしたと思うが、それが冷凍機の音である。で、気づかれると思うが、稼働したら24時間止めることは出来ず、それをリニア新幹線は東京ー大阪間に取り付けようとしている。これは「超伝導を確保するためのコスト」と「超伝導で得られる利便」のトレードオフが常に存在することを示す。今(8月)のクソ暑い時期、鉄塔の高圧電線からビシビシと唸り音が聞こえてびびった方も多いと思うが、あれは要するに送電線の電力が音になって失われていることを示しており、「超伝導電線」が採用されれば解決する。が、現状、超伝導電線を維持するためのコストと電力の方が大きすぎてやる意味は無い。
というところで。

こんな画像(wiki。と、これを突っつき回している動画)と共に、

台風6号にぶち抜かれた某国より、「室温で、高い圧力を加えたりすることもなく、超伝導状態になる物体を発見したぞ」とする資料が、ネットの論文投稿サイトに投げられ、界隈がざわめき立った。しかも既知の物質(ラナルカイト(Pb2(SO4)O )とリン化銅(Cu3P))を混ぜ混ぜして焼き固めるだけ、というから、「理に叶っているが沢山作れない」という次元すらも越えている。ありとあらゆる電気配線をこれに置き換えれば革命だからだ。早速、世界中で混ぜ混ぜして焼き固める追試が始まった。
が。うん。もしそれが本当ならこんなネットの隅っこのブログ見に来なくてもテレビで学者が解説して発見者が会見してますわね。
「マイスナー効果」と「ピン留め効果」によって、超伝導物質と磁石を近づけるとこんな光景が出現する。上記銅と鉛の焼き物は部分的にこれを表していて、純粋培養すれば完全にこれができるのではないか。まぁそういう主張だったわけです。ちなみに超伝導と証明される客観的データとしては。
・その構造が明らかになっていること(第三者が確認できる)
・電気抵抗がゼロになる(伝導度∞:超伝導のゆえん)
・マイスナー効果・ピン留め効果(磁界に対する特徴的な性質)
・相転移(ある温度で突如その状態に至る)
あたりがポピュラー。で、世界中で文字通り乳鉢擦った揉んだの挙げ句の結論は。

・超伝導どころか室温じゃむしろ抵抗値は大きい(バンドギャップがデカいとあるので一種の半導体を「錬成」したのではないか)
・磁界でびよんびよん動くのは混じってた鉄が1カ所に集まったからだよ
ゴミじゃん。
ちなみに。
「常温常圧超伝導」は「永久機関」と同じくらいうさんくさいものとされていて、まず疑ってかかれという意味合いからタイトルのような言葉もあるほど。なおこの「用語」をひねりだしたのは日本の研究者で、頭文字を並べると……。
はい、次行こう次。クソ暑いのにもう。。。
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