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2023年9月12日 (火)

今日は宇宙の日

毛利衛さんが宇宙へ飛び立った日を記念している。

科学的知見に基づいて人体を宇宙へ放り出そうという試みが最初に出てくるのは17世紀シラノ・ド・ベルジュラック「月世界旅行」であろうか。

 Vous saurez donc que la flamme ayant dévoré un rang de fusées (car on les avait disposées six à six, par le moyen d’une amorce qui bordait chaque demi-douzaine) un autre étage s’embrasait, puis un autre, en sorte que le salpêtre embrasé éloignait le péril en le croissant./ロケットの列の一列が炎に飲み込まれたことを理解するでしょう(それらは1/2ダースずつ配置されていたため、各半ダースごとに境界を持つ導火線を使って)。別の段階が燃え上がり、次に別の段階が燃え上がり、したがって燃える硝石が危険を遠ざけるために増加していったのです。(ChatGPT)

多段式ロケットの萌芽が見られる。

SFの範疇でくくって良いのはベルヌ(1865年)で、月へ行くのに大砲をぶっ放す点がちょっとアレだが、無重力への言及など知見に基づく考証が入ってくる。

実現性が見えてきたのはロケットモーターの開発になり、ゴダードが1919年にロケットによる月への到達に言及し、26年最初の液体燃料ロケットの発射に成功、一方、ロシアのツイオルコフスキーは1903年に多段式ロケットや宇宙船の基本構想を発表し、ここに「後は実際作るだけ」の状態が整う。

開発はしばらくソ連が先行し、1957年に人工衛星、1961年にガガーリンによる有人宇宙飛行に成功する。これにアメリカがヒートアップ、ガガーリンの1ヶ月後にぐるっと1周に成功、1962年、ようやく人工衛星軌道に人間を投入する。月に到達するのはその7年後。

日本人の宇宙飛行は出来合いのシステムに便乗させてもらう形になり、TBSの秋山氏が1990年2月にソユーズで宇宙へ、そして毛利さんが1992年9月12日、スペースシャトルで旅立つことになる。

で、30年経つのだが、「オールジャパン」で宇宙へ行く日は来るのだろうか?宇宙ステーションの一部をなす「きぼう」への荷物輸送に使われた「こうのとり」は所要の気圧を与えており、人が乗ろうと思えば乗れると言われている。ただ、「日本が単独で実施する必然性」がないので、まぁ、当面は主としてアメリカのシステムに便乗する形が続くであろう。

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夢を現実にした時代に生きています我々。

2023年9月 4日 (月)

3H対立軸

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(サムネ用201系)

フクイチの処理水放出が始まって、ネット上では対立軸が顕わになっている。「権威」を持つ人があることないこと書き並べて反対し、理論でフルボッコされる、それを「手先の言葉は信用ならん」と逃げる。そのうち発言を消去。だいたいこんな流れw

トリチウムは水素なので水として振る舞うのは何度も書いた話。そのせいか?「ALPSで処理できないウランなどがー」と言い出している。

海水にはそもそもウランまでの天然元素が全て含まれる。

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ソース

1996年の論文なので今回の事故関係なし。で、彼らの言う「ALPSでも処理しきれない核種」は燃料デブリに触れた状態の10万分の1の状態。それが例のタンクの中身。これがヤバかったらタンクに近づけないことは自明であろう。

 

で、これを再度ALPSに通した上で、トータル「人体が被曝しても1ミリシーベルト(胸のレントゲン17回分)以下」になるように薄めて放出する。海水をモニタするので、そこには処理水と元々海水に含まれる核種が加わっている。それでも基準を満たすようになっている。

「原子力発電所からの物質が~」

だから、その燃料であるウランは「ウラン鉱山」から取ってきた天然物で、同じもんが海水中に溶けとるちゅーねん。

時に「日本学術会議」さんよ。貴団体の知見はこういう時に見解として述べられるべきじゃねぇのか?

(どーでもいいけどハンタイの連中に20億年前には天然物の原子炉すらあったんだぞったらどう「反応」するんやろな)

 

2023年9月 1日 (金)

関東大震災より100年経過

2023年9月1日は、大正関東地震、および、火災を中心とする深甚なる複合大災害となった関東大震災より丁度100年である。防災の日が9月1日なのはここに端を発する。

以降、地震の科学的研究、建物や街作りにおける防災の視点反映、そして訓練など意識構築を続けているのであるが、兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震など、数え切れない人的犠牲を伴っており、決して目的を達成できていない。

今一度当時の状況を令和現在の知見と技術で再現し、把握しておくことは、当時失われた人命に報い、次なる大地震への備えに資するものと判断できる。「11時58分の地震とその後の火事」でまとめるのは本質を見失う。読まれると「そこまでするか」的な恐怖を覚えるかもしれないが、「南海トラフ」は類似があり得る。備え、構え、そして逃げて生き延びるために、自らの意識付けのためにここに記しておく。

●地震動そのもの

11時58分マグニチュード7.9。調べるとこう出てくる。しかし実態は。

・11:58 M7.9 神奈川県西部-相模湾
・12:01 M7.2 東京湾北部
・12:03 M7.3 神奈川県・山梨県・静岡県県境付近
・12:17 M6.4 伊豆大島近海
・12:23 M6.5 相模湾
・12:40 M6.5 相模湾
・12:47 M6.8 山梨県中・西部

1時間の間に大きな地震がこれだけ連続して起きている

●津波

熱海:5~6分後引き波→第1波(床上浸水)→地震後15分くらいで7~8m。場所により12m
伊東:8~10分後(21世紀のシミュレーション)9m
鎌倉:引き波の後20分後に7~8m

●土砂崩れ等

丹沢山地を中心に多く発生。有名なのは白糸川で発生した山津波(岩屑流)。距離6キロを5分で流れ下ったという。他に東海道本線根府川駅に停車中の列車もろとも押し流した土石流も知られている。

●火災

都内で100箇所、神奈川で30箇所以上から発生した。台風が日本海から北日本を横切り太平洋側へ抜けるという移動をしており、風が強く、東京市の4割が延焼する大火になった。「竜巻」は強い上昇気流で発生するが、その上昇気流を火事が起こした場合でも発生しうる。「火災旋風」と呼ばれ、要するに炎の竜巻である。

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 陸軍被服廠(ひふくしょう)の跡地に避難していた人々を襲い、ここだけで3万8千人がなくなったと言われる。

●要するに?

東北地方太平洋沖地震と同じ「海溝型」が「直下」で発生した。突然の大きな地震動で建物が倒壊し、火を噴く。本震の揺れが収まらぬうちにM7クラスの余震が襲う。ずっと揺れてる中を倒壊・落下を避けなければならない。生き延びて逃げるにも避難場所や経路なんてものはない。とりあえず家財道具一式持って右往左往しているうちに火に阻まれ、追い詰められたところを火災旋風が襲う。海へ逃げたら津波が襲う。

教訓を拾うなら「揺れたら身の安全を確保し、揺れが耐えられるレベルまで収まってきたら、必要最小限のものだけ持って避難所へ逃げろ。余震のさらなる倒壊と火事に気をつけながら逃げろ。身の安全が確保できるように耐震の養生をし、持ち出す荷物はまとめておけ」……我々は出来るのだろうか。

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●南海トラフに向かって

マグニチュード9と言われる。数字だけ見ると東北地方太平洋沖地震と同じである。

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違うのは震源域が陸域に及ぶこと。携帯やテレビ緊急地震速報は、初期微動と主要動の時間差から到達時間を予測して警報を出す。東北地方太平洋沖地震ではこれで陸域は間に合った。比して真下で起きたら当然間に合わない。予知しようとしているが、前駆的な地殻変動であるプレスリップを捕まえたとしても数時間である。警戒宣言は閣議で決まるが、データの異常→センセイの招集→審議……じじいかき集めている間に来るだろ。いきなり来ると考えた方が良い。

 

強弱を繰り返しながら7分。その間に上記回避行動を取る。準備と、訓練と、恐怖に打ち勝ってそれを実行する胆力が求められる。

100年を経て建物は強くなり避難所とそのルートも整備された。ただ逆に言うと「路頭に迷う必要は無くなった」というだけかも知れぬ。

↓お目通しください。

気象庁関東大震災特設サイト

2023年8月24日 (木)

何も起こりゃしねぇよ

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反対する人よどういう機序でどういう悪影響が出るのか説明してごらん?

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これでこれらの国々やその周辺で何か起きてるかい?理屈と結果があるもの否定するのは知的水準に問題があるとしか論評のしようがないわ。簡単に言うとアホか外患誘致の輩のどっちかだ。

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はい以上。何か書くことある?何が心配?飲んだら?しょんべんになって数日で出て行くだけ。被曝量?バナナ1本食った時の3万分の1。バナナ食ってどうにかなった?あ、数字で書いても承服しかねるんだっけ。ラムサール条約のラムサールで温泉入ってくるといいよ。

2023年8月19日 (土)

読書

おやじの墓参りのついでに久々にまともな(ムック等ではない)本を買った。

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何か?

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鉄道会社の社員でもないのにこんなもの読んでどうするんだって?ヲタ向けの雑誌じゃ濃さが足りないから。内容は電気と機械と物理なので別にそう、現実の勤務とかけ離れているわけでもないし、別に無駄にはならん。

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うひゃひゃwそりゃ在庫あるだろうよ。しかし専門書は高い。

仕事じゃない書物ってなんで難しい内容でも楽しいんだろ🤪

2023年8月11日 (金)

或るUnidentified Superconducting Object

いちおう、記録しておきましょうかね。

「超伝導」(超電導)というのは、物体の電気抵抗がゼロになる現象を言う。この現象を使うと莫大な電流を流す必要のある・莫大な電流だからこそ実現可能な機能を得ることが出来る。尊い応用として例えばMRI(核磁気共鳴断層撮影装置)。

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キヤノン

があり、どっかの首長に邪魔されている超電導リニアモータカーなどがある。

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JR東海

で。この現象が発生するには4K(-269℃)というほぼほぼ絶対零度が必要で、そのために特殊な冷凍機を運転し「ヘリウム」を冷やして液体として使っている。MRI受けた方は「きゅ~ぽん♪」とリズミカルに運転する謎の機械音を耳にしたと思うが、それが冷凍機の音である。で、気づかれると思うが、稼働したら24時間止めることは出来ず、それをリニア新幹線は東京ー大阪間に取り付けようとしている。これは「超伝導を確保するためのコスト」と「超伝導で得られる利便」のトレードオフが常に存在することを示す。今(8月)のクソ暑い時期、鉄塔の高圧電線からビシビシと唸り音が聞こえてびびった方も多いと思うが、あれは要するに送電線の電力が音になって失われていることを示しており、「超伝導電線」が採用されれば解決する。が、現状、超伝導電線を維持するためのコストと電力の方が大きすぎてやる意味は無い。

というところで。

Pellet

こんな画像(wiki。と、これを突っつき回している動画)と共に、

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台風6号にぶち抜かれた某国より、「室温で、高い圧力を加えたりすることもなく、超伝導状態になる物体を発見したぞ」とする資料が、ネットの論文投稿サイトに投げられ、界隈がざわめき立った。しかも既知の物質(ラナルカイト(Pb2(SO4)O )とリン化銅(Cu3P))を混ぜ混ぜして焼き固めるだけ、というから、「理に叶っているが沢山作れない」という次元すらも越えている。ありとあらゆる電気配線をこれに置き換えれば革命だからだ。早速、世界中で混ぜ混ぜして焼き固める追試が始まった。

が。うん。もしそれが本当ならこんなネットの隅っこのブログ見に来なくてもテレビで学者が解説して発見者が会見してますわね。

「マイスナー効果」と「ピン留め効果」によって、超伝導物質と磁石を近づけるとこんな光景が出現する。上記銅と鉛の焼き物は部分的にこれを表していて、純粋培養すれば完全にこれができるのではないか。まぁそういう主張だったわけです。ちなみに超伝導と証明される客観的データとしては。

・その構造が明らかになっていること(第三者が確認できる)
・電気抵抗がゼロになる(伝導度∞:超伝導のゆえん)
・マイスナー効果・ピン留め効果(磁界に対する特徴的な性質)
・相転移(ある温度で突如その状態に至る)

あたりがポピュラー。で、世界中で文字通り乳鉢擦った揉んだの挙げ句の結論は。

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・超伝導どころか室温じゃむしろ抵抗値は大きい(バンドギャップがデカいとあるので一種の半導体を「錬成」したのではないか)
・磁界でびよんびよん動くのは混じってた鉄が1カ所に集まったからだよ

ゴミじゃん。

ちなみに。

「常温常圧超伝導」は「永久機関」と同じくらいうさんくさいものとされていて、まず疑ってかかれという意味合いからタイトルのような言葉もあるほど。なおこの「用語」をひねりだしたのは日本の研究者で、頭文字を並べると……。

はい、次行こう次。クソ暑いのにもう。。。

2023年6月27日 (火)

イノベーションねぇ

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これ読んで書いたろ思ったらなんぢゃこら

既存の延長線でしかも大体見えとることしか書いとらんがや。

「半導体」

ほうほう。……3次元構造化が必須だ。……ほう。10年前からメモリは上に積んでる。パワー半導体も冷却装置で素子を挟んでいる。どこ見てナニ言ってんだお前ら。

良く書くのだが「確実に実を結ぶ(=金になる)研究」なんてモノは判ってりゃ誰も苦労しない。「判らないから、見つけるために」行うのが研究であり開発だ。二言目には「それが何の利益になるんだ」って言い出す短絡野郎がいつの世にもいるが、お前にゃ関係ねぇんだよ。人類の理想のために金と時間を掛けるんじゃねぇか。

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↑この能書きを本気で実現するなら、空間・時間の制約を排除し可能な限りの電子化・自動化を推進して、人の脳みそは「英智の結集」に利用されるべきなんだけどね。「何か考えてくださーい。お金出しまーす」と書いてあるだけにしか読めんわ。学び直しとかリスキリングとか言う言葉が大はやりだが、何か新しいことを始めるのに最初からおさらいするほど非効率なことないのよ。ネット技術だけ見てもアホみたいに進んでしまった。先頭には今から追っても追いつけない。んなことぁAIに学習させて答えだけ出させりゃいい。本当に必要なのは「困っていることの解決」と「こうなると楽で便利」じゃないのか。高齢者が情報機器を使いこなせない……そりゃ直感的に分かるようになってないからだよ。ちなみに高齢者で言うとだんだん自分の思い通りに身体が動かせなくなって行くことに不安と、それで発生する「介護」に対する周囲への遠慮って感情を強く感じる。それを汲み上げて例えば神経-筋力系のアシストとか、QOL向上に寄与するあれやこれをそれこそ今の時代だから作れるんじゃないのか。放射線バリバリの原子炉建屋でシコシコ働けるロボットはいつ出来るんだ。

産官学と良く言うが三すくみ。大金はたいてクソの役にも立たないモノこさえても意味ねーんだよ。

2023年6月21日 (水)

どうすんだこれ2023

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・見つかるのか
・救助方法は
・間に合うか

いろんなことが言われている。構造も検査も操作方法ずさん。

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「わかっているがやってしまう」ことをリスクテイキング(risk-taking)と呼ぶ。確率的な危険よりも確実な対価を狙うと犯しがちとされる。

・タイタニックを生で見る
・金持ちから巻き上げる

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日本の潜水調査船「しんかい6500」である。

・船室:直径2mチタン合金の球体
・窓:円錐台(富士山型・プリン型)のアクリル製

鉄のオモリを積んで潜航し、それを捨てて浮上する。1回のミッションは8時間以内。

ちなみに、潜航の世界記録を持つ潜水艇「トリエステ号」も同様に球形で鉄板をオモリに用いた。

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(wiki。本体は下の球。⊂⊃構造の部分は「浮き」用ガソリンタンク。タンクの下に球体をぶら下げる構造で球体がくるくる回り出すのを防止)

この鉄板は電磁石でくっつけており、電源に異常が起きると当然ポロリと落ちて自動的に浮上する安全設計がなされていた。なお「球」なのはあらゆる方向からの圧力に耐えることが出来、圧力で縮むと強度が上がるという性質を持つことによる。無論「球としての精度」は極めて高いことが条件である。

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ドラム缶じゃねぇか。

富豪のパパとお子様か。我々じゃどーにもならんしなーんも出来ん。

「理に叶っているか。リスクは確認できているか。最悪からの脱出は確実か」

2023年6月19日 (月)

材料の特性と大きさに依存するもの

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コイル。もとい、

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コイル。小学校の「電磁石の実験」で鉄釘の周りにエナメル線を「1000回」とか巻けと言われて面食らった人もあるのではないか。これは

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代表的な式がこれだが、Nが巻き数、μが「透磁率」といって、磁石の鉄芯材料個々が持っている特性値。なので、強いコイルを作ろうとすると、μの大きな材料を選び、後は大きく沢山巻くしかコントロールする術はない。

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とある照明用の基板だが矢印付けたのがコイルやその親戚であるトランス。要するに部品小型化の流れの中で「素材の特性とその使用量」に依存するコイル系は小型化が原理的に不可能で取り残されてきたわけ。

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板チョコみたいなマイクロコンピュータと鼻くそみたいな抵抗やセラミックコンデンサ。デカいまんまのコイルと電解コンデンサ。それが昨今電子回路の実情で、小型化のボトルネック。

で。

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一万分の一だと?

「トポロジカル絶縁体」という不思議な物性がある。表面だけ電流が流れて、中には電流が流れない。こいつに交流電流を流すと、交流電流が磁気の振動を引き起こし、逆に磁気の振動は交流電圧を駆動するという特性を持ちます。……だそうな。この辺の理屈は。

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量子力学が出てくるので略w

一方「磁性絶縁体」磁石には大いに反応するくせに電流は流さない物質。著名なところでエレキバンでおなじみフェライト。

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で、両者をサンドイッチすると、その量子力学的な電磁現象をエレキバンが増幅して「小さくても強力なコイル」として動作するそう。

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しかもどうやらクッソ小さく(10nm。昨日記事のウルトラファインバブルもびっくり)作ることでこの効果は強く出てくる。

・電流が面を流れる→全ての電流がエレキバンと必ず接触する→電流の発揮する磁性現象を全てエレキバンに与えることが出来る

ああなるほど、という感じ。なおこのサイズは昭和であれば「小さすぎてムリだよね~」であったが、最新の半導体は回路パターンをヒトケタnmで作るので逆に問題ない。画期どころか大革命なのだが、その省略した現象はロバートB.ラフリン教授が理論的に提唱した「ラフリン電荷ポンプ」(ラブリンクではない)と呼ばれる現象がネタ元で、1998年ノーベル物理学賞受賞とのこと。四半世紀を経て世の中に貢献できる可能性が出てきた。

2023年5月15日 (月)

痕ぞ悲しき

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これね。現場「通勤電車の車窓」なのよ。何が起こったのかと寄ってきたわ。

当初未成年の運転、とだけ伝わっていたが。

・4人乗りの車に5人
・未成年者が飲酒運転
・徹夜で飲んで雨の夜明け前にイキリ走行
・当初警察には替え玉出頭

……まぁ、三倍満とか数え役満とか揶揄される「起きて然るべき」事故と言えばそれまでだが、

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まず、事故の現場と概況である。矢印のように県道15号「瀬戸街道」を走行、交差点を横断して橋を渡る方向へ進行しようとし、「左カーブ上り坂」のてっぺん付近で後部がスリップ、車両が横向いた状態で反対側の欄干に側面から衝突した。この事故から得られる教訓はないだろうか。

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現場、交差点上にスリップ痕等は確認できない。

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橋の側から。この道は、画面奥手、プロ野球ドラゴンズの球場バンテリンドームの方から来ていて、ここで矢田川の堤防を上る。その上の交差点、というわけだが、特徴としてこの交差点そのものは平坦ではなく、画面奥方バンテリンドームの方が少し下がっている。交差点自体が緩く傾いた位置にある。

で、事故の概況を見ていただきたい。事故車は画面奥方、「緩い左カーブの上り坂」を走ってくるので、重心はそもそもが後部座席側に移動し、前が軽くなる。事故車は後ろが定員超えの3人であるから、この傾向はさらに大きくなる。一方「曲がる力は」前のタイヤがアスファルトに食いつく力(グリップ力)で発生するが、上記のメカニズムで前の荷重は抜けて浮き気味になり、なおかつ雨で滑る。すると後ろに移動した遠心力が勝り、車体は右に傾き、後ろが飛び出そうとする。この「右に傾いた」とき、右側のタイヤにグッと力が掛かり、車両は急激に左に回転を始める。それは「クルマがつんのめった」のだが、フィギュアスケートのジャンプ直前、軸足が氷上をガチッと食んで回転軸を作ったのと同じである。すなわちそこを軸に急激な回転を起こす。この現象をオーバーステアという。

後ろは外側へ飛び出そうとし、前は内側へ向こうとする。が、後ろが滑り出すたクルマはそのまま横滑りとなり、そのまま交差点……坂のてっぺんで反対側までジャンプ(スリップ痕が無い=タイヤと路面の摩擦がないため推定)して、

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で、この事故の象徴的画像として使われているが、クルマは真横になり、車体側面から欄干に激突。右後部のタイヤをここに打ち付けた。前に突っ込む衝突であればエアバッグの効果があろうが、側面にそんなものはない。ましてや2人用のところに3人詰め込んでいる。遠心力で振り回され身動き出来ぬまま3人まとめてクルマの内壁か窓ガラスに打ち付けられたであろう。

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ずれた欄干が衝撃の大きさを物語る。なおこの欄干自体は「飾り」で、橋梁本体はもう少し離れた場所から始まっているので、橋梁の構造や強度への影響はない。

定評あるスポーツカーでも重量オーバーの状態で路面との摩擦を失えば何も出来ないのである。アクセルを踏めば走るのは確かだが、ハンドルを切れば絶対曲がれるわけでも、ブレーキを踏めば絶対止めるわけでも無い。そこを逸脱しないよう考えることが「運転」である。ある程度力学が分かれば、1000キログラムを越える鉄の塊を力任せに動かしていることがどれだけ恐ろしいか感覚が付くのだが。単なる方程式の暗記と吐き出しではなく、体感できる場が必要なのではないか。

自業自得の数え役満。だが、こんな丸いタイヤ痕残して母の日に母より早く二十歳前に散ったとかおいたわしいことに変わりはなく、手を合わせてはおいた。起こる必要のなかった事故だ。切ねーな。

速度とルールは守りましょう。飲酒運転、ダメ、絶対。

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