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2026年1月10日 (土)

DP-570SでEnya三昧

オーディオ機器を更新すると特定のアーティストやジャンルの音楽を聴きまくって「差違」にニヤニヤしている。

アキュフェーズDP-570S(以下Sさん。本機の直接の音質評価はこっち)でEnya。なおチェック曲は基本的にこれに合わせてある。さて。

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(公式のアー写)

I Want Tomorrow(The Celts)

一聴しての弦の立体感よ。あと、ヴォーカルが可愛く聞こえる。古い音源でアナログベースとみられるが、応じて弦に金属的な響きは感じるものの、あまりこう、ノイズ感や不透明感みたいなものはない。北欧の低く澄んだ空みたいな。聞いていてとにかく心地良い。

Watermark(Watermark)

さすがにピアノは丸く、年代なりの聞こえ方をする。さてこの曲の着目点は部屋の空気を丸ごと動かす重低音である。0:56~から出現する。とりわけ1:30近辺のは文字通り重い。この表現は欧州系の楽曲に時折見られる。氷河や永久凍土が折れる音とかいう。Sさん「あっさり」出してくる。

Orinoco Flow (Sail Away) (Watermark)

Enyaの代表曲。豊かな響きを伴った凜とした音が心地良い。多重丼ここに極まるみたいな音を重ねた曲であり、応じて高域は丸くなっちゃっているのだが、得られるハーモニクスに包まれる空間は文字通り異世界。

Caribbean Blue(Shepherd Moons)

位相差成分豊富なようで音が前に出てきてふわふわ浮かぶ。こう書いてる手元まで音が出てきて遊ぶ。アナログで重ねたっぽいザラザラ感は唯一惜しいが、「表現したかった空間」みたいなものは出せているのではないか。

Evacuee(Shepherd Moons)

ヴォーカル音像大きいのだが目の前に浮かんで手で掴めそう(掴むなよ)。ステレオフォニックとはピンホールカメラの音像版だから、ちゃんと復調すると2本のマイクの録った通りに再現するのだが、管弦楽入ってるし、別録りだとは思うのだが。質自体はアナログ的丸み・歪み感は少なくクリアだ。

Anywhere Is(The Memory Of Trees)

コーラスもご本人なので左右スピーカ間にEnyaさんが何人もズラッと並ぶ。この曲はあまり音が前に出てこず、平面に並ぶ。その並ぶ個々のEnyaさんを解像できれば勝利。

Athair Ar Neamh (The Memory Of Trees)

ホールトーンがふんだんに付加されていてどこかの教会の真ん中にいるよう。包まれる通り越して何なら後ろから聞こえてくる勢い。2チャンネルステレオフォニック侮りがたし。

Wild Child(Themes From Calmi Cuori Appassionati)

映画用の楽曲なのでバックトラックが大盤振る舞いとなる。互したヴォーカルとなるわけでスゲーなと。マルチトラックでスタンダードな構成なので、あまりこう位相差ガー音場ガーという聞こえではない。

Only Time(A Day Without Rain)

あら重低音なイントロだわ。ヴォーカルは三角形の頂点に定位。へぇ、こんなことできる(こんな音作りだった)んだ。Enya爆音で鳴らして恍惚になる向きには万感の出来映えといった鳴り方。両方の耳元で聞こえるんだぜ。

One By One (A Day Without Rain)

ヴォーカルの音像は↑と同じ。途中大きく広がって埋もれるというか沈むというか、そんな表現(に、聞こえる)。透明な水の中にいるようだわ。

Amarantine(Amarantine)

コーラスの音像があっち行ったりこっち行ったりする。ずっと余韻を引くエコー感が耳に残ってクセになる。

Stars And Midnight Blue(And Winter Came...)

音像がまるでレーダの電波のように部屋を巡る。エフェクトのホールトーンと音域による定位感の変化のイタズラだと思うが、突如音場が手前にワーッと出てきて包まれる感は悪くない。

Echoes In Rain(Dark Sky Island (Deluxe))【96/24】

これと↓だけハイレゾ。他の楽曲はCDである。一聴してワイドレンジであり、天井のつかえた感もなく無制限な感じで広がる。ヴォーカルは中央、左右、手前と様々に位置を変え、それこそ「Echo」のように音空間を醸成。こういう「スピーカで聞いてナンボ・ならではの表現」にニヤニヤできるのが醍醐味。

Astra Et Luna(Dark Sky Island (Deluxe))【96/24】

ハイレゾ野郎として安心できる音作りと言える。途中から重低音がドスンドスン入って来て、Enyaにあるまじき(?)力強い曲想が展開される。このガチガチと食むような輪郭が得られるかどうかがチェックポイントになろうか。

Aldebaran(The Celts)

インスト曲。またたきながら東天より出でしおうし座の一等星アルデバラン。凜とした冬の星空感がたまらん。

Lothlórien(Shepherd Moons)

インスト曲。娘が生まれた日にずっと鳴らしてた曲。トールキンの『指輪物語』に出てくるエルフの森の王国の名前。「花咲く地」や「歌う黄金の谷」とも……と書くだけで充分な曲。それはもう夢の中というか、どこにもない空間というか。「時間の流れが遅く、邪悪なものが入ることが難しい魔法の領域。」なるほど。

●まとめ

Enyaさんの楽曲は基本的にヴォーカル、コーラス、バックトラックを幾重にも重ねて作ってあり、応じて録音・編集システムの性能が音質に直結する。2020年代にあって1980~90年代に作られたそれを再生するのは少々厳しい局面を覚悟したのであるが、あにはからんや(古い)。それは時代なりの周波数特性の差違は感じるものの、危惧したほどはノイズは歪みは感じられず、その独特の「音に包まれる空間」を室内に再現できた。その豊かな世界は今回Sを駆動してようやく得られた感があり「なんだこいつ」とでも言うか。

深くて広い。

2026年1月 8日 (木)

1月8日はイヤホンの日

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昭和の頃からオーディオビデオ大好きだった世代にとって、「1月8日」はそれら企業が仕事始めで新製品や新企画を発表する日で、そりゃもう毎年ワクワクしたものだ。しかし、オーディオビデオ機器の担っていた機能の殆どがネットとスマホに奪われた昨今、ワクワクするようななんて望むべくもない。

そんな中でネット上に流れてきたのは1=イと8=ヤで「イヤホンの日」だそうな。

イヤホンとヘッドホンは使い分けているが、その遍歴はウォークマンのそれと等しく、最初は「WM-101」に付属していた「MDR-E212」であった。

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あら懐かしい。

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壊れて「WM-DD9」(!)にシフトしたので付属のMDR-E575から、1990年代「ソニーで最高価格のイヤホン」だったE888にした。

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(まだ聞けますぜ)

いっときオーディオテクニカに浮気するが、またソニーに戻って、これまた当時「アホみたいな」価格だったこの記事冒頭の「EX1000」これを長く使った後、XBA-300との併用を経て。

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IER-M9で落ち着いている。

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世の中オーディオ機器はイヤホンの新製品が活発だ。スマホと親和性が高いのと、「小さく作るデバイス」がたくさんあるからだ。イヤホンは当初文字通り「耳穴サイズのスピーカー」であったが、補聴器用の発音体だったと聞くバランスト・アーマチュアが加わると、本来その聴感上のバランスを取るために用意されたデバイスを駆使して据え置きスピーカばりのマルチウェイに進化。こいつなんか5ウェイだ。しかしそれでとどまらずMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使ったものなど「素性は良いが大きく作れない」や「小ささこそ命」なデバイスを組み込んでどんどん変わり続けている。やがて補聴器と同じく「好みの音」にアサインしてくれるようになり「ぼくのかんがえるさいこう」のイヤホンが手に出来るようになろう。鼓膜直近だからこそ発音体の能力がスポイルされず届けられる。それはそれでアリだし行くべき道だ。

鼓膜間近の幸せを

2026年1月 2日 (金)

アキュフェーズDP-570Sの技術

★音質の話は→こっち

●アキュフェーズの技術

「めっきされた音だ」「つまらない」ネットで聞く悪口は大体この二系統に集約される。一方、搭載している技術について否定・反駁している論陣はこれまで見たことがない。

基本的に原理原則に忠実で、精度を高め、余裕を与え、ノイズや歪みの低減に工夫を凝らす。大まかにそんな傾向の会社と言って良い。なにがしか思いつくとフラグシップ機に搭載し、以下下位機種へトリクルダウンして行く。

ただ「革新的な何か」や「新しいデバイス」にすぐ飛びつく傾向は薄い。現下デジタル・アナログ変換の主流であるビットストリームΔΣ方式の採用は「慎重の上にも慎重な」レベルであったし、本機にしてもそのDACデバイスはESS9028PROで、ESSとしての最高性能DACデバイス「9038」ではない。やたら高価でバカでかいポータブル機がこぞって9038を採用しているのに、アキュフェーズで9038を使っているのはセパレートDACの「DC-1000」だけで、一体型のフラグシップ「DP-770」も9028である。本機の登場を何年も待ったのに「570無印と同じじゃんか」と肩を落としたファイルもあるのではないか。この記事ではその辺を切り口に、そのDACと、本機と無印の最大の相違(進化点)ANCCについて、ブツクサと書いてみたい。

●ESSの使い方に見るアキュフェーズの考え方

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9028PROはESS社が2016年に発表したDAコンバータICである。ネット通販で1コ1まんえん。心臓部たる変換回路は「Hyperstream II」である。

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(ESS国内代理店「グローバル電子」さんのサイト

え?難しい話するに決まってるじゃん何言ってるの。

Figure04

ΔΣ方式のDAコンバータは「振幅の大きさ」を「パルスの本数」に置き換える。「Δ」すなわち今と前の「差分」を比較し、増ならパルスを発し、減ならパルスは出さない。繰り返して行けばアナログ信号に追従したパルス列になる。wikiには簡単に正弦波・サインカーブで適用した例があり、「位相90度(sin(π/2)=1)」に近いところはパルスがびっしり並び、同270度(sin(3/2)π=-1)ではパルスがスカスカになる。音楽データを再生する場合、こんな感じに「電圧が高い=パルスがたくさん」となるように、データを並べ替えてから、簡単には抵抗とコンデンサだけの「ローパスフィルタ」に流すとパルス本数に応じた電圧を有するアナログ音楽信号に変換される。

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(wiki)

一般のデジタル音楽信号であるPCMは、この正弦波+1←→-1間に16bit~24bitのデジタル値を持たせたモノであり、デジタル演算で「ビット数をパルス数に変換」するのは容易である。ちなみにこの「パルス数」はPCMのサンプリング周波数より充分高い物でなくてはならず、CD44.1kHzの64倍(2.8MHz)とか大きいと256倍(11.2MHz)とかに取る。なおこの「パルスの羅列」をそのままゼロイチで記録・再生するのが「DSD方式」であり「スーパーオーディオCD」である。ここまで書いて前後ひっくり返すと、PCMデータでは少なくも64倍オーバーサンプリング処理を噛ますので、サンプリング周波数と信号波(音楽)周波数との差分に相当する「折り返しノイズ」による影響を、耳や回路動作に影響を与えない遥か高周波へすっ飛ばすことが可能となるうえ、PCMがDSDになるので、DSD/SACDと同じ素子でDA変換できる、こうなる。

で、ESS素子の何が好まれているか、すなわち「Hyperstream II」は何やっとるか、という話であるが、入力されるデジタルデータには時間軸方向のブレ(ジッタ)が乗っており、これが上記のように2.8MHzだの11.2MHzだので変換するには大きな誤差となり、変換ミスやノイズの元になる。これに対し変換器を4つパラで(多分少しずつタイミングをずらして)走らせ、しっかりした自身のクロックで動かす。ジッタが乗っていると4つのDACの和は「真の答えとノイズの和」となるが、ノイズはパルスの本数すなわち直流電圧成分になるので、フィルタで簡単に切れる……歪みの少ない優れたアナログ信号が得られる、とこうなる。ちなみにこれは「ランダムノイズを含む同じ信号を合成すると真の信号は合成した数だけ増えるが、ノイズは部分的なのでそうでもない。合成した後圧縮すればノイズのレベルが下げられる」という2010年以降アキュフェーズが好んで使っているパラレル動作回路の屁理屈と通じるところがある。「なるほどねぇ」と納得するところである。

●ESS素子で文句言われたところ

曰く「使いこなしが難しい」そうな。ネットを漁るとクロック同期が外れやすい。上でブツクサ書いた通り「クロック命」の素子だが、その故に自分で首を絞めてるような……凝りすぎた回路あるあるですな。9028や9038PROはこの辺を改善しているそうな。

●9028と9038て何が違う?

これは「Phileweb」のメーカ担当者インタビュー記事に書いてあって。

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つまり「パッケージの中に作り込まれた回路は全く同一で、そのうち幾つ動かしているかどうかの違い」となる。パラで使って合成する場合、多い方が(正しく同期動作できれば)上記信号とノイズの関係で歪みは少なく出来るが、応じて動作電流が増えるので発熱が増加するし、パルスを正しく出す瞬発力のある電源じゃないとそのメリットを享受出来ない、こうなる。アキュフェーズでいうと上位機種の770やDACの1000が、ちっぽけなICの周囲に電解コンデンサが林立する大げさに見える電源回路を奢っているが、それは瞬発力を求めた結果そうなったということであろう。なおこれで判るように「9028だから」と肩を落とす必要はないということになる。温度を気にしながら9038使うより9028を余裕もって駆動した方が楽だ。

●ANCC(Accuphase Noise and distortion Cancelling Circuit)

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アキュフェーズが時々出してくる「原理は判るけどすげぇ速度や精度を要求する」ギミックの一つ。これはまずアキュフェーズの特許明細書を見てみよう。

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(特許第6983411号

をー、登録(すなわち特許として認められた)されたの2021年だぜ。以下記載内容そのまんま。

 本発明に係る増幅回路は、入力端子10からの増幅する信号を入力する主増幅器反転入力端子12aと、増幅回路の共通電位に接続した主増幅器非反転入力端子12b、及び増幅された信号を出力する主増幅器増幅出力端子12cを有し、前記主増幅器増幅出力端子12cの信号を前記主増幅器反転入力端子12aにフィードバックする主増幅器帰還回路121を設けた主増幅器12を有する。
  そして、前記増幅回路の共通電位に接続した副増幅器反転入力端子14aと、前記主増幅器12の主増幅器反転入力端子12aの入力信号を入力する副増幅器非反転入力端子14b、及び増幅された信号を出力する副増幅器増幅出力端子14cを有し、前記副増幅器増幅出力端子14cの信号を前記副増幅器反転入力端子14aにフィードバックする副増幅器帰還回路141を有し、前記主増幅器反転入力端子12aに現れる電位と前記共通電位との差分を増幅して副増幅器増幅出力として出力する副増幅器14を有する。
  上記の構成において、前記副増幅器14の副増幅器増幅出力端子14cに現れる信号を前記主増幅器12の主増幅器反転入力端子12aに接続する誤差信号帰還回路142を備え、前記主増幅器12の主増幅器増幅出力端子12cに現れる出力を回路の出力としたことを特徴とする。

要するに、入力されるオーディオ信号10番(Vi)をアンプ12番で増幅し、そこに歪みが載っていれば、12aに12b(コモン)との電圧差として出てくるでしょう。それをアンプ14番で反転増幅し、その結果をViに戻すことで打ち消す。すなわち12aに歪みに伴う電圧が出ないように全体としては動作する。

シンプルですね?でもこれを実現するには高速で動作する増幅器12や14を用意し、動作が目論見通り行われるよう電源を与える必要があるわけです。しかもこいつら自身がノイズ出してちゃダメなわけで。「MJ無線と実験2026年冬号」によれば、750Sの回路では、「12」に相当する素子がTIのOPA1656(元オーディオ素子開発で一世を風靡したバーブラウン)、「14」が日清紡マイクロデバイスNJM2122(型番で判るように新日本無線が買収された)であり、ノイズ密度で言うと1656が1kHz 時に 4.3nV/√Hz、2122が1.5nV/√Hzと頑張ってらっしゃる。そこら辺のオペアンプ、例えばルネサス(旧NEC)のμPC4574だと5nv/√Hzなので、なるほど高性能なんだな、というのが判る……のか?wなおこの「ノイズ密度」という尺度だが、要するに「ノイズ電圧は帯域幅の自乗に比例」という意味。まぁ、吟味して使っているんだな、ということは理解いただけよう。

■最後にアキュフェーズは「高価」なのか?

そりゃ量販店で売ってる2万円とかのセットとは次元が違うが、アキュフェーズが広げたと言って過言ではない「アホみたいな価格のオーディオ製品群」の中では、草分けであるラックスマンと共に、あまり値上げせずに頑張った結果、むしろ「安価」な方へ広がっているというのが実態ではないか。他社をみたまい。「エントリー機種100まんえん」からが普通ではないか。比して5年月賦で無理なく買える値段から応じた満足感(高い機械買ったなぁ)の得られるモデルが揃っている。「プレーヤーだけ」「アンプだけ」背伸びしてドーンと行く手はアリだと思う。

それだけでも世界が変わる。おすすめ言わないが買って損はない。なお結婚後にアキュフェーズ買おうとすると家族会議必須、沙汰の結果では打首獄門となるので、独身のうちに1コもっておいて「趣味のオーディオというのはこういう価格帯のシロモノだ」と洗脳しておくこと。

2026年1月 1日 (木)

アキュフェーズDP-570S

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●くそ長い冒頭の能書き

アキュフェーズ」というメーカの存在は1987年だったか、電波新聞社の「AudioVideo」という雑誌(廃刊済)で知った。オーディオ評論家として健筆を振るっていた飯田明氏が「40万円のCDプレーヤ」として当時のDP-70を紹介していたものだ。抵抗分圧式DAコンバータの原理原則を高精度な部品で突き詰めて作ったキカイで、「どんな音がするのか?」とオーディオのイベントへ聞きに行き、只々、驚嘆したものだ。それは当時高校生の自分にはとても手の出るシロモノではなかったが、就職後に後継機として「エントリークラス」(最安価)な機種としてDP-65が発売された際には、「手が出せる」状態であったから早速手にした。同期社員達がこぞってクルマを買う中、ひとりアホみたいな値段のCDプレーヤを買ったわけだ。

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その音は後に主流となる1bit・ΔΣDACの「フィルタ回路で浮かび上がったサラサラと流れる様な」それと異なり、各階調に確実に電圧を与える復調されたPCM信号そのものであって、「堅実で芯のある、地に足の付いた」ものであった。2010年代をして買い換えようという気にはならなかった。が、しかし。

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その2010年代、ソニーウォークマンZX1をニトログリセリンとするハイサンプリング・ハイビット……すなわち「ハイレゾ」の時代になると、普通のCD単体プレーヤである同機は袋小路の存在となり、手放すに至った。後釜は①同価格帯で②SACD/DVD-Rに記録されたDSD信号の読み出しが可能③USBでDSD11.2MHzまで放り込める……の全ての要求を満たすデノンDCD-SX11を選択した。

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以来、10年。この間、同機はずっとデノンの準フラグシップとして現役にあり、2025年ようやくディスコンとなった。逆に言うとそのレベルは中々革新が無かったと言える。一方でその10年、就職前後に購入した機器たちが陳腐化したこと、歳食って応じたキカイを買える環境も整って、アンプはアキュフェーズE-470、スピーカはTAD ME-1へとジャンプアップした。すなわち、一回りして音源機器が最も古い存在となっていたのだ。これは、「まず、送り出しの質を高くする」源流第一主義としては看板倒れになるし、寿命のある光素子や機械リレーに10年は一つの区切りであろうことが見て取れる。そのタイミングで……というか、アキュフェーズの製品サイクルとしてそろそろと判っていたが……登場したのが本機である。モデルナンバーから判るように570の進化版と読み取れ、音質の予想が付くことと、阪神優勝でジョーシンのwebクーポンがドーンと付くことからポチった。初回ロットは完売ということで、ろくろ首になるほど長く待ってようやく届いたのが25年の晦日である。

操作性だの技術的検討だの書きたいことは多いが(検討はこっち)、こいつ手にした一般ユーザからのレポートは皆無に近く(本機のシリアルは120番台)、ここにたどり着いてイマコレ読んでる諸氏も「まずは、音の感想を聞こうか?」であろう。「アキュフェーズ買える頃には耳遠く」とかいうが(本当か)、f特12000Hzの耳には如何に。機材は以下。

・音源サーバ:Soundgenic(USB直結)★データ音源送り出し

USB:アコースティックリヴァイブ

・本機:アキュフェーズDP-570S★円盤音源送り出し

バランス:アキュフェーズ

・アンプ:アキュフェーズE-470

バイワイヤリング:クリプトン

・スピーカ:TAD ME-1(初代。TXではない)

では、行きましょうか。

 

●音質

■現下リファレンス
1.「~キボウノチカラ~オトナプリキュア’23」エンディングテーマ「雫のプリキュア」(サンプリング周波数96kHz/量子化ビット数24bit・flac形式。以下ビットレートは略記)

まず音出ししてSX11と違いは「小音量でもディテールがクッキリと描かれていること」。無垢の静寂から上品に立ち上がりキラキラと輝き出す。声に含まれる僅かなビブラートが耳元飛んで来て包み込むように震える。歌詞の発音一音一音をマイクのそばで聞いているようだ。回路のトランジェントが厳粛なまでに鋭いことを示していよう。ずっと聞いていたい歌声がここにある。

2.サラ・オレイン「Fantasy on Ice」(96/24・flac)

冒頭アカペラのサラおねえたまの唇の動きが判るよう。パーカッションの鋭さ、楽器一台ずつ描き分ける弦、間奏のブラスは遙か高みへ突き抜けて行くかの如く。旋律に踊る彼女の声は鮮烈とか言う次元ではなく、ここまで出てほしいと願うそのひとしずくまで描かれ、音に包まれて抱かれる快楽はコタツの中の猫の気分。いやおい世間のサラ・オレインファンの各位よ、「飛ぶ」ぞ。

■CD
1 まかせて★スプラッシュ☆スター★ /うちやえゆか(CD)

バックグランドの弦が生オケの上品さを備えてスタート。弾み、動き、流れる。「プリキュア」のコンセプトそのものの躍動感が心地良い。間奏から2番へ向かうベースのデケデケが重心低く出てきて、これはSX11と異なる表現になった。エンディングへ向かって繰り返して行くサビのフレーズにやえさんのフルテンション、強さが覗く。

2 Rose in Rose/五條真由美(CD)

静寂からどーん。鳥肌が立ったわ。ヴォーカルが小さくフォーカスするので音量上げてもうるささは皆無でひたすら明確で硬派な音が流れる。重心が低いので応じてスケールは大きくなり、この上ない安定感と存在感を与えてくれる。五條真由美という希有のヴォーカルを縦横無尽に駆使してあり、縦横無尽に再生している。

3 Mad Desire/Stephy Martini(CD)

保守本流ユーロビート。通奏のバスドラムがガツガツと掻き立て、震え、魂を荒ぶらせる。打ち込みのディスコサウンドであるが、リミット感、歪みは全くなく、エレクトロニクスならではの俊敏な大振幅をかき鳴らしてくれる。身体で直接受ける振動と鼓膜を震わす音波とのシンクロナイズがことのほか心地良い。超高解像度と超ワイドレンジが音楽だけの桃源郷へ連れてってくれる。

4 Killing My Love/Dave Rodgers(44/16・flac)

某、ダウンヒル最速のアニメで知られるLeslie Parrish歌唱のDaveバージョン。なおイタリアから直接ダウンロードした。こっちの方が音いいんだもん。とにかく静寂にぽつんと音像が浮かぶ様から怒濤の展開へ広がって行く有り様がすごい。圧倒的。ME-1のウーハーがずっとブルブル言ってる。シンセサイザの紡ぎ出す周波数下から上まで並んだギラギラの電子音が、レーザ光線のような切れ味で心地良く心身をドライブしてくれる。7分間の悦楽。こんな深い音だったんだね。

5 Coextensive/Master Gun(CD)

ジュリアナテクノ。ギャンギャンギラギラなんだが、なんだこの港区タワマンみたいな上品な立て付けは。クリップして歪みまくってやかましく大迫力、というのを期待すると真逆で裏切られるとでも書こうか。その代わりこれでもかと盛り込んである音要素を全部解像して叩き付けてくれる。この楽曲はギラギラを強調するあまりfレンジ全体は狭いのかも知れぬ。位相差成分はびゅんびゅんとビームのように耳元へ飛んでくる。

6 When You Dance With Me/レベッカ(CD)

1989年の音が克明にしかし少し抑制された感じで甦って驚く。ギターとドラムは当時そのままという感じで鮮烈だ。さてこの曲をリストしているのは間奏の重低音なのだが、耳をそばだてずとも克明に解像され、まるで部屋の空気を丸ごと揺さぶられるようだ。

■ハイレゾ
7 DONE/サラ・ブライトマン(44/24・flac)

え、これ低音豊富じゃんかというまずは印象の転換。fs44なので倍音ガーとかイマイチ丸いのであるが、豊かな階調がもたらす機微の表現は思わずニヤニヤ笑ってしまう。まるで草原で天使が歌っているかのようだ←そのまま死んでお迎えしてもらえ

8 ロマンティックじゃない?/ダイアナ・クラール(96/24・flac)

イントロのギターと彼女の声よ。そこに居るかの如きでゾクゾクするわ。ASMR向きの声色だよなぁ。静かで楽器の数が少ないので、その個々を解像して克明に描き出す一方、微弱な部分の精密な再生が要求されるが、あっさりというか当たり前に出して寄越す。これANCC効いてるんだろなぁ。

9 Skyrim Theme/ケルティックウーマン(96/24・flac)

多人数で音域が広いが埋もれるでなく潰れるでなく、個々を際立たせて浮かび上がらせる。当該ゲームの壮大なスケールが部屋の中に解像する。まぁ、なんということでしょう←語彙力。音量上げただけ多幸感が増すので(麻薬か)、耳に入るありとあらゆる音が心地良く聞こえる。それはアキュフェーズの使い手が大きく共感するところであり、嫌う人に最も反感を持たれる部分でもある。「ハマるとダメ」である。

10 百花繚乱/幾多りら(96/24・flac)

ちょっとヴォーカル音像大きい。が、出てくる音はひたすら贅沢だ。こんなんでりら氏聞いてええのけwヴォーカルに重きを置いた曲で楽器の数はそう多くないので、りら氏とスピーカ越しに対峙しているような楽しみ方出来る。

11 ことのほかやわらかい (feat.KAORI & KEIKO & YURIKO KAIDA & Joelle)/FictionJunction(96/24・flac)

弦→パーカッション→爆発!みたいな。通奏がまるで心臓の鼓動のよう。多重ヴォーカルが位相差を持って音場をうねうねと巡り、聞いてる部屋ごとどこかへ持ってってくれる。浮遊感のある曲だがその浮遊感とてつもなく、恍惚といつまでも聞いていたくなる。人が見たら「こいつキマってんじゃね?」と思うであろう。

12 Magia/Kalafina(96/24・flac)

このすっ飛んでくるストリングスよ。「魔法少女の歌」であり、「ほの暗さ」がぽっかりと口を開け、ゾクゾクさせる増幅感を得ている。ドラムスの打音はハッとするほど一音一音が明確かつ鮮烈で、織りなされる歌姫達のハーモニーと対立軸として屹立する。

13 音楽/Kalafina(96/24・flac)

後ろから始まって前に回り込んでスタートする。言い換えるとスピーカの存在感が消える。通奏低音は深く荒々しく、ヴォーカルは手のひらで掴めそうな位置に克明に浮かび上がり疾走する。間奏のコーラスの入り交じり重なり合い昇り詰めて行く心地よさよ。

14 うすむらさき/Kalafina(96/24)

地を這うイントロ、空間を描くパーカッション、キラキラと響く3人のハーモニー。「くっそ贅沢なkalafinaの聴き方」をしてるなって自覚があるわ。重心が低く腰が据わっているので高域方向の展開がことさらに強調され、妖しさを増す。フェードアウト部分はギリギリのギリまで音を出して寄越す。

15 Kyrie/Kalafina(96/24・flac)

美を聴け。一言で書けばこうなる。コーラスとハーモニーの至宝。こだまする追憶の艶やかさは一点の曇りもない漆の椀を見るよう。その裏側で螺鈿の鳳凰が翼を広げる。kalafinaだけ4曲?好きなんだよハイレゾ向きだし。

16 Sound of Destiny/緒方里奈(CV水樹奈々)(SACD)

浮遊するように再生される……という認識だったがカッチカチに解像してもらえました。SACDを意識したのかかなりハイ上がりな音作りで、これが定位情報を与えて「浮かぶような」感覚を与えていたらしい。なお水樹奈々ハイレゾ出てるがこのSACDを超える音質のモノはなく(のりぺったんなんだよキングレコード)、その生々しさ未だ比類無し。

17 ヴィヴァルディ Violin Concerto in E Major,Op8,No.1,RV.269(四季「春」)/THE AVISON ENSEMBLE(SACD)

「四季」としてまず再生されるアレ。1曲目の奴。あら綺麗。ハープが小音量で混じっているのだが、それをちゃんと曇らずぼやけず解像して寄越す。弦の倍音はオマエ大好物だろって位にゆんゆんのキリキリに復調してくれる。バイオリンの弦が表か裏か判る勢い。

17 So Sad/ジェニファー・ウォーンズ(SACD)

「いい音だねぇ」誰が聞いてもそう言うのでは?クリアで突き抜け感があり、自然だ。録音の質自体も高いのだろう。全体にスピーカの左右ツイータを結ぶ線より「上」に定位する。それはステージを見上げる視線に一致し、ライブ会場にいるよう。

18 作者不詳(ロンドン写本より): サルタレッロ (ゴシックハープ[15世紀メムリンク・モデル])/西山まりえ(192/24・flac)

このハープが置かれた中世の教会に一瞬でワープできる。弦をつま弾くその弾く音そのものが聞こえ、その消え際の余韻まで再生される。途方もない高音質で神に捧げる曲がここにある。

19 ます(シューベルトピアノ五重奏曲 イ長調 作品114 (D 667)「鱒」・第4楽章:アンダンティーノ - アレグレット)/Koike Strings with 新垣隆(DSD11.2MHz)

バイオリンはそこ、ビオラはここ、チェロが居て、その囲まれた中を「ます」が跳びはねながら泳ぐ。弦は高低に合わせて定位感が変わる。「存在感・有る味」があったりなかったり。シューベルトがそこに「一カ所にとどまらないますの動き」を重ねたならすごいが。偶然だよねぇさすがに。

20 世界の車窓から/溝口 肇(DSD11.2MHz)

弦とピアノとドラムセットでジャズアレンジ。リアルかつ「間近」だ。ピアノは録音レートと録音方法と機材が高次元で融合しないとリアルに録れないが、それを成し遂げてある音だと改めて認識。消え際のピアノの倍音をや。

■総括

雑誌のベストバイなんか見てるとマランツやラックスマンの3桁まんえんの機械に比して安価(!)な機器だし、型番上もマイナーチェンジ感があって要するに「地味」だが、隠された秘宝を手に入れてほくそ笑むことが出来るキカイと言おうか(何だそれは)。音出しして徐々にボリュームを上げていったが、一聴しての印象は「静寂から立ち上がる上品な旋律」。やがて細やかで豊かな倍音を伴う弦が耳元で踊り、空間を織りなすパースペクティブでニヤニヤし始める。顕著な特徴は「小音量でも克明」で、ディテールが手に取るように判る。ノイズフロアが低く、歪みが少なく、超高解像度である証左。立ち上がりの一瞬の静寂や消え際の1bitまでも明確に聞こえるような、「取りこぼさず細心に復調」感は他に類を見ず。それはΔΣ方式でずっと引っかかっていた「正弦波のゼロ点を平均値で作っている」ゆえの不安定感(先入観)をようやく払拭できた。
限りないまでの解像度と透明な周波数特性の音に囲まれて天国が見えるかの如き令和の逸品。音域ごとの量感のコントロールはスピーカと配置でやって下さい。オレが天国に行くまで令和の間は頑張ってもらうぞ←地獄に落ちろ

■V.S.前任機DCD-SX11

重心の低さと解像度の高さ、それが効いてる小音量での克明さはかなり差があるかなと。最近のデノンで低域が軽いと感じられる方はこっちに来ると幸せになれる(その飯田明氏が見いだしたEnya「Watermark」に出てくる「どすん」が明確に聞こえる)。ノイズがあると大きめに音を出した時「うるささ」があるのだが、その点は特に大きな差となった。こういう価格帯は「あれ?値段差の割りにたいしたことないじゃん」になりがちだが、「たいした差があった」という結論。SX11よ10年間ご苦労様。交代だ。

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Enyaさん三昧してみる

2025年12月22日 (月)

おいお前ら、オーディオを買え

元々「リビングに最高を」という機種配置だった我が家のオーディオだが、「家族揃って映画」というシチュエーションはほぼ無くなり、メインとサブを入れ替えた。サブがリビングにいて機種構成はこんな感じ。

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レコードプレーヤとその下の録音機は一般家庭では考えなくていいだろう。コンセプトは「リビングにいて出しゃばらないけど侮るなかれ」である。

・アンプ デノンPMA-600NE(4万円くらい)
・CDプレーヤ デノンDCD-1600NE(販売終了)
・スピーカ ソナスファベールLumina Ⅰ(17万円になっちゃったよ)

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(ルミナちゃん)

1600は「スーパーオーディオCD」の再生が目的でそうしただけで、アンプの600に似合いのCDプレーヤとしてDCD-600NE(4万円くらい)

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で良いと思われる。これでスピーカに10万円クラスが用意できれば申し分なく、そこは耳に一番近いところなので、好きな曲持ってってお店で聞かせてもらって、好きなモノ選べばいいだろう。ちなみにこのアンプ「600」は、DAコンバータを内蔵していて、ハイレゾ音声の規格である「192kHz/24bit」まで入力できる。追って「USB-DDコンバータ」(USBの信号を「同軸デジタル」に変換する機械。2万円くらいから)を追加することで、ネットワークオーディオ・ハイレゾへのステップアップが可能となる。

音質だがLuminaは楽器のフィールの持ち主で、弦楽器を艶やかに、女性ヴォーカルを艶めかしく鳴らして寄越す。サイズ的に低音はシンドイ部類だが、ちょっと距離を取ってやれば量感たっぷりだ。このところ足のケガで炬燵に入って「ザイタクキンム」をしており、朝から晩までこいつを鳴らす。ハイレゾ/スーパーオーディオCDを鳴らすとハッとするような切れ味で鳴らして寄越す。ごめんね普段ちょろちょろした室内楽ばっかで。

CD+アンプ+スピーカで総額20万円。場所を取らず色彩的にも自己主張は少ない。ボーナス使った大人の買い物として丁度良く家族の理解も得られやすいと思うが。

その音楽、手のひらの端末から解放してやらないか?

2025年11月17日 (月)

知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!? 第3回「ヒトはなぜ音楽を愛するのか」を見て @ReijiAsakura @orenzi_tanaka

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(引用元)

「タモリさんちのオーディオシステムが登場」というのに興味を持って覗いた。結果から言うと、最近のテレビ番組にしては珍しく、冗長で薄っぺらいトークがなくて密度が高く、オーディオヲタクとしても「人類と音楽の原点」を考えさせる佳作であった。

要約してしまっていいのか知らんが記事とするにはある程度まとめねばならぬ。

①「リズム」を快く感じるのは人類共通である(生まれたばかりの赤ちゃんですら反応する)
②「メロディ」に対する快不快は聞いてきた環境・社会構造による
③「嗜好」は思春期に聞いた音楽で確立される

で、「音楽を聴くことで脳はドパミンを出す」ん゛ぎもぢいぃ……何でそうなったかはアーカイブでもご覧頂いて。心理や感情に寄り添い、そのドパミン分泌の力で認知症の進行すら遅らせるのが音楽であると。

さてオーディオヲタク的にぶっ刺さったのはこれである。

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超音波を含んだ音楽は脳を活性化する。

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ソース

ここでハイレゾ推しはガタッと席を立つわけだw。番組でこの辺をお話しになっていた本田さんも共著の論文。なお、これに基づいてオーディオ評論家・津田塾大講師の麻倉さんも言及しているガムランや芸能山城組→AKIRAブルーレイ版のサントラなど構成されている。

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(↑これはガムラン)

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活性化されるのは脳幹・視床下部といった、要するに脳の真ん中(自律神経系=生命の根幹=古い部分)だという。

で。

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季刊「生命誌」49

番組中も言及があったが、だからってハイレゾをイヤホンでぶっ込んでもこうした脳の反応は得られないのだという。つまり「耳ではない」ところから人は超音波を聞いて多幸感を得ている。ここでスピーカ派がガタッと席を立つ。

この先は私見となる。まず、良く書いているが、オーディオは偶然のいたずらから生まれた。「電話」が発明されて程なく、「これ使えばコンサートの中継が出来るんじゃね?」となり、今で言うパブリックビューイングが行われた。多数の電話回線でコンサートホールと会場を結んで、多くの人に音楽を聴いてもらおうとしたのだ。この時、観客の一人が受話器を両耳に当てたところ、立体感あふれる現地の音楽を聴くことができたのだ。ステレオフォニック効果の発見である。これが発展して、受話器がでかいスピーカーになり、生演奏からその録音物を音源とするようになっていったのがオーディオの立て付けである。今のオーディオは「イヤホンが普通」であるが、これはある意味先祖返りということになる。

ただ。

当たり前だが原初の音楽は生だ。そこには声があり、快を求めて超音波を多量に含む楽器があり(気持ちいいと感じる音源を選んだ結果、そこには超音波がふんだんに含まれていた、ということだろう)、カテドラルの幾重にも重なるホールトーンがあった。音楽は元来それが満ちた空間に身を置いて浴びるものなのだ。他方人間自身も音響エネルギの放射は「声・口」だけで行われる訳ではない。

オーディオやる人はオペラ歌手がマイクも無しに大ホールにあまねくその声を届けられることをご存じであろう。演歌歌手も似たようなことが出来る。これ何やってるかというと横隔膜の駆動に合わせて骨が共鳴を起こし、全身から音響エネルギを発生しているのだ。

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(イメージ。ベガありがとうw)

・身体全体で音を放つなら、身体全体で音を聞き取る能力があって然るべき

こうなる。タモリさんちのオーディオシステムはJBLの4350という100kgを超える巨大スピーカーシステムだったのだが、オーディオをこじらせると「デケェスピーカーで部屋の空気を丸ごと駆動する」方向に向かう事が多い。これはイヤホン=電話を超えて、音楽の原初の形態「浴びる」に行き着いた結果とすれば納得が行く。

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ソナス・ファベール「ストラディバリG2アニバーサリー 」横70センチ高さ130センチ重量63kg

結論:聞いて幸せになれる音楽は生の声と生の楽器で生成され超音波領域までスピーカーで聴くこと

つまり現行の「音楽の作り方と聴き方の主軸」である、打ち込みをワイヤレスのイヤホンで聞いてる、のは、音楽の「一部」しか楽しんでいない。暴言を言うと、氾濫するアイドルのそれは本来プリミティブな存在である音楽の本質ではなくうわべだけ乗っかって「音楽と称する何か」を売りつけているに過ぎない。だからこそワイヤレスイヤホンに納まる程度でしかない(あーあ書いちゃったよこの人は)。

将来、幾らイヤホンで「高音質」を模擬できても、音楽の原初の姿「浴びる」に行き着くことは不可能だろう。もちろん脳神経系に直接電気的な刺激を与えて「同じ結果」を得ることはできるようになるかも知れない。ただそうなると今度は、リズムと、メロディと、思春期に好きになった共感を得ることは出来ない、ということになる。

いい機器の、いい音で、大好きな音楽を。身体は正直だぜ。

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2025年11月 4日 (火)

#いい推しの日

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1104いいおしなるほど。

星に関してはHDE226868だと前に書いたので、他の趣味の世界を。

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……何か問題が?

知的な女の子おもしれー。そんだけ。

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鉄道車両は今も昔も113系大好き。クロスシート(向かい合わせボックス席)が日常にも「旅」感をくれるじゃないのさ。

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オーディオは「値段を知られると家族会議打首獄門」な奴を書くのもアレなのでイッタ~リアはSonus faberの「LuminaⅠ」を推しとく。ただ、この2年ほどで価格が5割ほど上がって16万円……あ、家族会議ですかそうですか。

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歌手。サラ・オレインを推しておこう。ハイレゾ野郎として手放しで歓迎しちゃう歌声。三和シヤッターのCMソングとか。

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温泉。白骨。

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高速道路は中央道だ。80キロ制限だから新東名ほどうだつはあがらないが、「ずっと静岡」じゃないし、風景コロコロ変わって退屈しないし、山梨・長野・岐阜とそれぞれ地元の味覚も楽しめる「ドライブ」出来る道。

最後に。

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くろよんを推しておこう。人力が成し遂げた巨大なロマンがある。

 

2025年10月 4日 (土)

#ポタフェス 2025@NAGOYA

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去年は開催無し。2年半ぶり?出撃。

目的:出張新幹線で聞くのに丁度良い密閉型ヘッドホンはありませんか?

まぁぶっちゃけ書けばイヤホンばっかだ。混んでるブースは飛ばしたので

●アシダ音響

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HA-SX12。まとまりの良い音。価格だけ見て侮るなかれというところ。ただ、最高域はちょっと丸く感じる。解像度シャリシャリ感もう一声。

●FOSTEX

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漆。密閉型TH910の方。ぶっちゃけSTAXからシームレスに切り替えられる音だ。値段からして当然と言われるかもだが、ウォークマン1AM2のアンプでもスムーズで綺麗な音を出してくる。広帯域でバランスも良い。オケものではトゥッティとか吹け上がりを良く再現。

●B&W

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評論家諸氏絶賛のPX8 S2。音の実在感。すなわちリアリティはすごい。まるでレーザ光線でフォーカスしたよう。ただ、ウォークマンではロスレス再生出来ないせいか、音の輪郭や高域方向はかなりスポイルされている。普通の有線ヘッドホンで出してよ。

●FOCAL

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Clear MG PRO。オープン型だが単なる音チェックとして。フォーカルはフランスの会社で、普通のスピーカーはラックスマンが扱っている。音は悪くない。頭の真ん中にヴォーカルがぴしゃりと焦点を結び、どんな楽曲もそつなくこなす。それこそラックスのアンプでドライブされてるフォーカルのスピーカーをミニマイズ。

●nwm

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NTTソノリティのオーディオブランド。オーバーヘッドホンタイプnwmONEを確認。イヤホンタイプのMBN001は娘が使っている。さてこいつは一般的なノイキャン型と逆で、音楽信号が回りに聞こえないように逆相でぶっ放す。万能タイプでクラシックまでスムーズに鳴らすが、Bluetoothの伝送レートが~。

●intime(アンティーム)

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圧電セラミックツイータ+ダイナミック型ウーハの同軸2way構成。このフラグシップのプロト機を確認。セラミックのイメージから来る固さは感じず深い音を出す。テクノの重爆ビートもストローク充分。ただ音量上げるとちょっと割れ・付帯音を感じることも。素性自体は悪くないのでブラッシュアップして製品化されたい。

■まとめ

「平面駆動」が思ったほどははびこってないかなと。STAX使いとしては類似の挙動をするもの両手を挙げて賛成なのだが。
耳のそばで発音するのであるから、鼓膜までの音響エネルギ減衰が少なく「解像度」は稼げる。トレードオフとしてピストン出来る空気質量は少ないので、低音の強さは再現しづらい。そもそも低音は人体周辺の空気を丸ごと揺さぶり、応じて「皮膚や体躯」で「感じる」部分もあるので、耳のそばだけ動かしても「低音感」(量感)は得にくいのでは?という気がする。だったら、耳のそばだし解像度全振りでええやんと。

目的に対してはフォステクスは良かったのだが、じゃぁってヒョイヒョイ買える値段じゃねぇ。自分はあくまでメインはスピーカーで、ポータブルはサブに過ぎない。全部合わせて50万とか如何なモノかと。今回は一旦パス。

なお来館は雨にも関わらずどの社のブースもがら空きということは無く(ソニーを除く。なんじゃありゃ)、この業界・業態がまだ優勢の範疇であることを物語る。「どうせなら良い音で」は、まだ心くすぐるパワーを持っている。女性が1割ほどいたのも音キチおじさんとしては心強い。

「付属品」から変えてみな。世界が変わるよ。細かい音やニュアンスまで聞き取れる喜び←宗教か

2025年9月30日 (火)

円盤の時代これまでか

X眺めていたらこんなのが。

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おーん。

「円盤形記録媒体」はフォノグラフレコードが現れた1887年を嚆矢とし、1977年のレーザービジョンビデオディスク(レーザーディスク)で非接触・光学再生に移行、コンパクトディスクデジタルオーディオシステム、その高音質版SACD、DVD・ブルーレイ(突如雑w)に至る。ざっくり誕生して100年で革命が生じ、更に50年で「瀕死」になったと言える。

掲げた再生機は「12センチの市販光ディスク」全てが再生できるキカイだ。こういうのをユニバーサルプレーヤという。

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ウチにもOPPO社のそーいう再生機がいた。リビングにアレコレキカイを積み上げると妻の視線が冷たくなるので、1台で全て賄えて質もソコソコで実に都合良かった。しかし、家族揃って映画を見る機会は減少し、音楽もダウンロードで買うとなると、万能円盤機は「それである理由」が減っていった。ビデオレコーダがブルーレイの再生も可能になるともうれぞんでぇとるはない。OPPO社のこれ系キカイ撤退を機にせどりに出した。その後にこれ系キカイを出したのがフランス・リーヴォン社だったのだが、これがこのほど終了、というのがスクショの記事である。

現状、音声・映像コンテンツで「円盤系しか再生方法がない」のはSACDすなわちスーパーオーディオCDだけであり、そんなものマニアしか持てないから、まぁ「絶体絶命」であろう。なおSACDは「DSD方式」というデジタルデータで記録されているが、別にそれはそのまま配信サイトから入手できる。ネットワーク経由が扱えない。通信系のノイズがイヤだ。円盤をセットする儀式に萌える。という向き以外、円盤再生機は不要と言っても過言ではない(円盤が扱えるビデオレコーダはCDが再生できる)。

かてて加えて(久々に使ったなこれ)、「ダウンロード」や「オンライン・クラウド運用」はパソコン・インターネットの世界でも同様で、アプリケーション等を光ディスクからパソコンに取り込むというシチュエーションはほぼ皆無となった。結果、光ディスクの駆動や根幹部品である光ヘッド、信号処理回路などから各社撤退が始まっているのだ。「レコード」の場合はバネ質量系の機構部品と精密なコイルがあるので、個人事業主でもナントカ造れるが、レーザ光を扱い高速信号処理やサーボ系を有する光ディスクシステムは、半導体チップを用意しないとならず、ある程度の企業が資金を投入しないと何も始まらない。

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この子2015年のキカイで、買い換えを考慮しないとならないのだが、それは恐らく「最後の光ディスク再生機」で、それ以前に現在ただいま新しく作ってくれるメーカがあるかも不明瞭なのが実際だ。このキカイはデノンで、同社は自社でシステムを製造し、他のオーディオメーカに供給してきたが、この社外販売をやめるともっぱらの噂だ。経営元(金づる)が隣の半島にある国家主体の企業になってしまったので、行く先は見えているし、そこを儲けさせるようなコトはしたくない。

向こう5年で発売されるCDプレーヤをもって、光ディスクは「ロストテクノロジ」に落ちぶれる可能性がかなり高い。

2025年8月24日 (日)

暑さのせいか、ただの寿命か

……サムネ用の画像が無いじゃないか。

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おめでたい電車を。

オーディオは楽曲データをサーバに放り込んであって、サーバからUSBで直接オーディオセットに放り込んで再生している。が、これがブツブツ途切れる。

ネットワークエラーが出るので、屋内ネットワーク側の問題とも思うが、サーバ自体が応答しないという可能性もなきにしもあらず。

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……いや冷房は使ってますよ。

それともサーバの寿命かね。かれこれ5年経過。

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