死の超大陸パンゲア・ウルティマ
↑超大陸パンゲアは2億年前に存在した「地球上の全ての陸地がくっついた」大陸で、赤道を挟んで南北に三日月状に広がっていた。残りの海は超海洋パンサラッサという。その環境は過酷かつ極端を極めたもので、夏は毎日台風、冬は毎日木枯らし、大陸中央は極端な乾燥、そして季節の変わり目には「梅雨」の化け物「メガモンスーン」が荒れ狂ったとされる。南極の氷床が溶けたことで全体的には極端な温暖化で推移し、エリオプスのような巨大生物の発生を見ている。一方で「でかくて重い陸毛布」はマントルをアチチにし、やがて毛布をぶち破って大陸を引き裂いた。
(Yoshida & Santosh, 2011, Earth-Sci. Rev.; Heron & Lowman, 2014, J. Geophys. Res.)
コレに伴う異常な火山活動は大規模な温室効果と酸素濃度の低下をもたらし、ペルム紀末の大量絶滅と呼ばれる現象を起こし、例えば三葉虫はこのタイミングで絶滅している。
で。
↑の引用イラストにあるように、パンゲアから引き裂かれた各大陸は、結局球面状を動くので再度どこかで集まる。「最後のパンゲア」という意味で「パンゲア・ウルティマ」(Pangaea Ultima)と仮称されている。
……まぁ、応じて、「極端な気候」になろうことはご想像の通りで。このたび「Nature Geoscience」に発表されたシミュレーションによる仮説では。
・砂漠化とその「大陸毛布でアチチになったマントルからの熱」で陸地は炙られ気温70度
・沿岸部は極端な海洋からの水分蒸発で常時湿度100%近く
・哺乳類が住めるところ(ハビタブルゾーン)は極地域程度なのでは?
ちなみに上記ペルム紀末のイベントの後に恐竜の時代が来て、その後が哺乳類の時代。まぁ応じて今後も「イベント」があって、「その後の環境に適応した生命」が現れるのでしょう。このシミュレーションはパンゲアウルティマの時代まで(あと2億年以上)哺乳類が生きていたら……という話で、恐竜ですら1億5千万年しか持たなかったのだから、たかだか700万年の人類がいぢくりたおして自然の成り行きを狂わせている現状、パンゲアウルティマをどう生き抜こうか考えることすらおこがましい、てか、ムリ、という気はする。
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