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少し髪の毛を手入れして、お下げを作り直してゴムで留める。
「私は昨日、ご両親のご希望に添いつつ、飛行機に関わる仕事に就く方法もあるよ、と教えました。それで、よしっ!て思ってくれたようです。でも、家に帰れば宝物は消えてしまった勉強だけの部屋。フラッシュバックが起きたかもしれません。多分、彼は飛行機捨てられた時を思い出して心壊れてしまったのでしょう。まあ、あなたが勘違いするのはしょうがないかな、と」
妹は涙を拭って降り仰ぎ。
「私にできること、何かあるでしょうか」
「そうですね」
姫子はそこでソファに戻り、タロットを並べた。
「タロットカード……え?じゃぁ」
「そうです。私の思い込みや私的な価値観を押し付けるのは怖いので、カードに聞きます」
「あー3年の占い美少女って君か」
とは乾。おいおい教員が安易に美醜を口にするなよ。
「私も実際に扱うのは初めて見ます」
とは奈良井。シャッフルして1枚引くと〝魔術師〟のリバース。
「1枚だけ引く手法はワンオラクルと言います。さてこのカードは魔術師、です。それ自体の意味はこれから魔法の術式に着手する。準備、みたいなニュアンスです。ただ、逆向きで出たので、準備不足である、となります。万全や正しさに対して、迷い、ウソやまがい物、知識不足、悪知恵、そんなものを暗示します」
妹は驚いた顔で姫子を見た。飛行機を捨てたのも恋愛のせいにしたのも悪知恵であろうし、ウソでまがい物。
「当たっているのか?」
とは乾。
「はい……」
妹は頷いた。
「で?それだけか?」
「いえ。なので、準備不足というのは、迷いがあって学習の方向性が曖昧になっていることを示唆します。ちゃんと決めて、目標を定めた学習をなさいと。あと、対人関係に対しては、八方美人の態度を取るな、という解釈を得ます。今回お話聞いた限り、かなり親御さんの干渉というか意図強制を感じます。それに迎合した、甘んじて受け入れた結果が今ですから、まぁ、そこを断ち切れ」
「親を無視しろ」
「有り体に言えば……郁恵さんも何か、親御さんから頭ごなしに言うことを聞け、と言われていることがありますか?」
「……はい」
「それは、かなりの確率で、あなたの心身の健康に良くない影響を与えていると判断します」
妹は目を潤ませて姫子を見た。
「なんか、言いたいこと言ってもらえた気がします。ありがとうございます」
「占いってよりヒーリングね。なるほどね」
(つづく)
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