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ブリリアント・ハート【5】

 どうしようかと思う。迷っていては時間が無くなる。
 安直な方法はないではない。しかし、それを私利私欲のために使うのは良心がとがめる。今回はさっきの女の子のためであると同時に、自分のためでもあり、私利私欲と天秤にかけるとグレーゾーン。加えて新月が近いイコール失敗確率高め、であることを考えると、安直な方法は却下が妥当か。
 おみやげ作戦を試みる。レムリアはダイニングテーブル上に置かれた、インターカムのコールボタンを押す。すなわち、通信回路でメイドさんの待機所と直通。
『はい』
 すぐ応答。
「あの…」
 メイドさんにその旨告げると。
『幾つかお持ちいたします。その中から選んで頂ければ…』
 半ば予想通りの回答。裏返すと、自分をここに軟禁しろと指示された、ということである。相手が外務省では融通が利かないのも仕方がないか。
「いえ、あの、自分で買い物したいんです。ショッピング好きなもので」
 ウソではないが事実でもない。趣味とするほど好きというわけではない。
『では許可を得て…』
 まだだめか。
「あの~。それやると是非お持ち下さいとかそんな風になっちゃって。普通の女の子として買い物したいんですが…」
 籠絡すべし。いや~な言葉だが、ここはそうするしかあるまい。
「あなたもお仕着せの買い物ってイヤじゃないですか?」
 耳打ちするように言ってみる。通信機経由なので、ひそひそ話もへったくれもないのだが。
 と、回答無く、インターカムはぶつりと切れた。

つづく

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