彼女は彼女を天使と呼んだ(7)
「じゃぁ俺の彼女になってよ」
「俺は?」
「やっぱ俺だよね」
めいめい己れを指さしながらその場で3人くるくる回る。さながらコントである。ただ、自分の方へ接近して来ないので、本気で言ってる訳ではない。
「いっそのこと俺たち共通でどうだい?」
ぶっ!
「お前、それ犯罪」
「あ、笑ってくれた」
「失礼しました~」
笑っているうちにツッコミが入り、3人で敬礼して走り去る。本当にコントだったようだ。自分がよほど深刻な表情に見えたのだろうか。
来た……それはいきなりの認識。でも間違いない。
「理絵ちゃんホントにウチ来ること考えてるわけ?」
大人びた声がかかって顔を上げると長い髪の……お姉さん。
自分でも痺れるほどきれいな少女である。名は本橋美砂(もとはしみさ)。ここの1年生で16歳。間柄は端的に言えば〝能力つながり〟。
「あんなのばっかだよ?委員長バッジが泣くよ」
「あーいう男の子いっぱいいたら面白いじゃないですか」
「騙されちゃだめだよ。で?歩きながらできる話?どこかで落ち着く方がいい?」
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