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彼女は彼女を天使と呼んだ(19)

 小鍋の中の一式頃合い。
 どんぶりに移動すればカツ丼一丁上がり。
「コトバで明確なのはキリストさん。でも彼らの物言いは、その努力をお金で示せ、ってズレてくる。お賽銭みたいなモノだってね。そこが論理のすり替え。お釈迦様にせよイエス・キリストにせよ、対価の要求はしていない。むしろ良いことは人知れずが粋だ、っていう日本の美意識、能ある鷹は的な思想に近い。高天原の聖なる方々が現金必要ですかって。だから、霊感商法は、そのお金どこに行くの?この問いかけを発すれば結構。神仏はお金を求めていない。偉大な聖人は対価で奇蹟をもたらしたわけではない。確かに、寺社仏閣には大口の寄付者いるけど、それらはむしろ成功の還元、成功の因に神仏あったればこそ、と感じたからこその感謝の意味でしょ?そしてそういう気持ち、原初は犠牲になった動植物、八百万の神々へのお詫びと感謝、それがお賽銭の原点だったはず。つまり霊感商法のもの言いは因果が逆。お金を払うと神仏が霊能者を通じて奇蹟を示す。何か変じゃないですか?いただきま~す」
 言ってるセリフと食べてるもののギャップが我ながら。
「言われてみれば当然だな」
「そして、だからこそ、本当にそういう力があるなら、お金儲けなんかしちゃいけない。お金が儲かるように恣意的に力を使うようになる。結果ココロは濁り、湧いた思念は、本当の霊的示唆なのか自分の欲望なのか区別が付かなくなる」
「霊能を権力に置き換えると警察官の犯罪の解説になるな」
「仰る通りで父上」
「それで?理絵子の方は?」
 父親は話題を変えた。本質に達したという判断であろう。

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