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彼女は彼女を天使と呼んだ(57)

16

 小さいが鮮鋭な携帯電話の液晶画面を、優子は理絵子に向けて見せた。

454:理絵子(sage)
健太君ゲッツσ^▽^)σ

455:けんた(age)
俺ららぶらぶ~

456:名無し(sage)
>>454 逝って良し

 周りから級友と担任竹内が覗き込む。
「桜井さん、これって本校の『裏』」
「そう。何か手がかりないかと思って。お前のカキコじゃないよな。って、裏見るなんてお前のキャラじゃねーし」
 桜井優子の言に理絵子は頷く。
「健太は確かに黒野を好きだと言ってはいた」
 糸山の発言。それは一般に物議を醸し、ひゅーひゅー冷やかされそうな類であるが。
 先にも書いたが彼はあちこちでその旨公言しており、他方理絵子は歯牙にも掛けていないことになっている。冷やかすには無理がある。
「ヤツからは、黒野とその後どうこうとは聞いてない。先走ってウソ言えば嫌われるコトくらい判っているはずだ」
 理絵子は頷いた。昨日、確かに、待ってと言ったのだ。
 しかも〝こころ〟を読んだはずである。自分で言うのも何だが、好きと言われた女の子に読めと言われたら、真剣に読むのが普通の反応ではないのか。しからば、こんな下品な真似をするだろうか。
「黒野さん自身じゃないのね」
「ええ、違います」
「でも、落書きとリンクしてるなら、辻褄は合うぜ」

→次

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