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【妖精エウリーの小さなお話】クモの国の少年【9】

(承前)

 その時でした。
〈あの……〉
 ムクドリの隣に降りてきたのはスズメ。
 助けて欲しい。電線に止まった仲間達に石を投げつける子どもがいる。
〈殺し屋少年ですよ〉
 スズメの記憶の映像をテレパシーで見る限り、確かにそのようです。
 信じたくない。信じられない。
 飛んで行くと、スズメたちは電線に数羽いて、男の子の姿はありません。
 妖精が来たと知るや、スズメたちが口々に訴えます。うるさいと言われ石を投げてきた、と。
〈バカにするのか。って〉
 思い浮かんだ言葉は被害妄想。
 何もかもが自分への攻撃に思えてしまう。
 あそこへ入った。と、スズメたちが示すその先は、表札の下にピアノ教室、とあります。
 翅を広げて音集め。先ほどもしましたが簡単にご説明。人間の皆さんも小さな音を聞く時に手のひらを耳に添えますね。私たちは手のひらの代わりに翅を広げます。
 聞こえてきたのは、ああ、ああ、痛々しいピアノ。
 女性の叱責が聞こえてきました。不合格です。……進級テストだったのでしょうか。
 対し男の子は怒鳴り返しました。うるせぇくそばばぁ……彼が好きでピアノをやっていたわけではない。少なくともこれで明らかです。
 女性が怒鳴り返し、何か割れる音、壊れる音、女性の悲鳴。
 男の子が怒りにまかせて物を投げたり壊したり。
 教室のドアが激しく開かれました。

つづく

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