« 彼女は彼女を天使と呼んだ(67) | トップページ | 彼女は彼女を天使と呼んだ(68) »

ブリリアント・ハート【14】

 男性は一方的に喋ると、電話を切り、カメラモードにした。
「姫様を鎌倉で撮ったことにして、インターネットの掲示板に写真貼ってもらうんですよ」
 レムリアが驚いて目を円くしたところを、運転手は撮影した。
「しばらくは大丈夫でしょう。その小学校でよろしいですか?」
「あ、はい。あの…」
「何もおっしゃらず。今日はお抱えの運転手です。出しますよ。姫様」
「…はい」
 味方になってくれるようである。レムリアは心臓のあたりがポッと熱くなるような感じを覚え、涙が出そうになった。安堵に似た、ちょっと落ち着いた気持ちで、座席に身を預け、運転手に任せる。
 


 
 学校までの道中でレムリアは事情を説明した。
「ではその女の子の住所を尋ねて…」
「そうです」
「判りました」
 程なく学校へ到着する。夏休みとはいえ昼間であり、校庭では部活動の最中。
 しかし、昨今の治安から門扉は固く閉ざされており、入ることは出来ない。
 正門前へ付ける。運転手がシートベルトを外す。
「こういうことはジイにお任せ」
 運転手は車を降り、門扉脇のインターホンに向かった。
「…タクシー運転手の高坂(こうさか)と申します。少々道をお尋ねしたいのですが」
 少しあり、けげんそうな表情の男性教諭が校舎から出てきた。
 帽子を取り頭を下げる高坂運転手。教諭の表情に安堵が浮かぶ。
「こちらの彼女が、ここの学校の女の子のお宅に伺いたいとのことで」
 高坂運転手の言葉に、レムリアはタクシーのドアを開け、降り立った。
 ダテ眼鏡を取る。
「どうも、突然申し訳ありません」
 教諭は小さく、おお、と声を出した。
 気付いたようである。いや、気付かせたのだが。
「あなたはひょっとしてテレビの…」
「ええそうです。今日、こちらに通ってらっしゃる女の子から質問を頂いたのですが、答える時間が無くて…」
 レムリアは女の子のクラスと名前を言った。
「教えて頂けるとありがたいんですが…」
「構わないが…おっと、敬語だな。構いませんがよろしいんですか?大騒ぎになっておりますが…」

つづく

|

« 彼女は彼女を天使と呼んだ(67) | トップページ | 彼女は彼女を天使と呼んだ(68) »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ブリリアント・ハート【14】:

« 彼女は彼女を天使と呼んだ(67) | トップページ | 彼女は彼女を天使と呼んだ(68) »