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【妖精エウリーの小さなお話】クモの国の少年【24】

「クモの糸を集めて橋を架ければいい」
〈ほう?〉
「アミシノ、だっけ。クサグモの皿網みたいになってるじゃん。糸を集めて同じようにすれば。小さいクモ達に集まってもらって。仔グモなら風が無くてもすぐに落ちたりしないだろうし」
 良くありませんか?道を歩いていたら突然顔にクモの糸。それは巣を張るためか、糸を風に任せ、その力で飛ぼうとしている小型のクモか、大体、どちらかです。
「なるほど。私は悪くないと思うけど」
 私はムカデの意見を求めました。
 それは多分、風が強い状態では逆に出来なかったことでしょう。
〈コバルトブルーに掛け合う価値はありそうだな〉
 ムカデは言いました。〝言伝のみは許される〟ので、私がコバルトブルーへの伝令を買って出、背中の翅にモノを言わせ、鷹の流儀で斜面を急降下。
 アミシノに降り立つと、仔グモ達が入り口で遊んでいます。
〈妖精のお姉ちゃんひとり?〉
「コバルトブルーさんは見えるかな?」
 判っているよ、という反応がテレパシーで戻ってきました。程なく、大きな青い身体が巣の中から出てきます。
 私はゆたか君の作戦を説明しました。コバルトブルーはおおむね了解。但し、
〈子ども達に危険が及ぶ心配はないかね?〉
「そこに私の超感覚を使う分には、掟に抵触しないと思いますが」
 仮にコバルトブルーが人間型の生命であったなら、ニヤリと笑った、になるでしょうか。
〈狡い。いや、命のためには手段を問わず、と評す方が適切かな?〉
「ご想像に」
〈人間世界がお長いようだな。よろしい。子ども達はギガノトアラクネ、と貴女は呼んだな。彼女の担当だ。好奇心持つ者を選んでもらい連れて行って構わない〉
「ありがとうございます」
 私が答えると、コバルトブルーは前足で土をリズミカルに叩きました。クモの子を散らす、といいますが、この場合は逆の現象が30秒。
 私の脚の周りは小さなクモ達でいっぱい。
〈翅のお姉ちゃ~ん〉
 クモは種類によらず、歩く時には糸を出しながら進みます。不意の事態が生じた時の落下防止が主旨のようです。

つづく

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