2021年9月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック

めーるぼっくす

無料ブログはココログ

« ブリリアント・ハート【40】 | トップページ | ブリリアント・ハート【41】 »

【妖精エウリーの小さなお話】クモの国の少年【40】

 つまり、生態は似ています。実際、同じような場所に、同じような巣を張って生きています。従って、
 オオヒメグモがいない場所で、気候の条件さえ整えば、ゴケグモ類が日本で暮らすことは可能。
 そして現在、その条件が整い、何らかの原因で日本に入り込んだ彼らが暮らし始めているのです。
 だから、もしも、人間さんが、不快だから、それだけの理由でオオヒメグモ達を駆除したならば。
 オオヒメグモのいた場所に、入ってくるのは。
 ヒメグモ科。学名はTheridiidae……ごちゃごちゃ網のクモ。
 同じようなクモに、方やクモ自体の姿から姫の名を与え、こなた網の形でそう分類。つまり、クモの姿はどうでも良かったのかも。
 それだけではありません。実は、先にゆたか君が挙げた日本唯一の毒グモ、カバキコマチグモを漢字で書くとこうなります。

 樺黄小町蜘蛛。樺黄色の小町蜘蛛。小町、すなわち、美人。

 愛されなければ、やがて毒ばかり。
 アラクネ。あなたが言いたいのは、そういうこと?
 でも何故、私たちに。
「風が止まるとか、変なことばかりだからさ」
 アラクネが、言いました。
「ここは、人の気持ちが、現象になって表れる」
 アラクネは私を見、目線を手元に戻し、作業を続けようとしました。
「何だか見づらいねぇ。ウチは明かりが無いから暗くなると店じまいだよ」
 言われて気が付きます。辺りが暗い。
 ただ、遠くの方には明るさが残っています。夕暮れや天気の暗転というより、日食の暗さ。
 何か変です。
〈おばさん!〉
〈翅のおねえちゃん〉
 子グモ達が慌てた様子で戻ってきました。
 外に出て見上げると、黒い何かが空を覆っています。
 それは超巨大なクモが高みにいるような形をしています。ただしそれは、この国に住まうクモ達と雰囲気が違います。
 脚が……5本。
「あんなクモは見たこと無いよ」
 アラクネが天井伝いに出てきて外を見上げ、言いました。
「なぁ、あれ、手、じゃねえの?」

つづく

« ブリリアント・ハート【40】 | トップページ | ブリリアント・ハート【41】 »

小説」カテゴリの記事

小説・妖精エウリーシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【妖精エウリーの小さなお話】クモの国の少年【40】:

« ブリリアント・ハート【40】 | トップページ | ブリリアント・ハート【41】 »