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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-48-

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 果たして父親はうーんと唸って。
「地動説といえば、ガリレオはそれでも邪道を貫いたなぁ」
「あの……ちょっといい?」
 口を挟んだのは麻子。尖った口調。
 目が怒っている。先ほどまでレムリアにニコニコしていたのは何?
「はい?」
 レムリアは用向きは当然自分だろうと向き直った。
「さっきから聞いてると、邪道を貫けってひどくない?」
「そんなこと言ってねぇだろ」
 真由がそっぽ向いたまま、ポソッと言った。
「あなたには言ってません真由さん」
 麻子が真由を見る。対し真由は受けて立つ、かの如く、じろりと目線を返す。
「偉そうに。お前何も判ってないじゃないか。頑張れ頑張れド突き回して、親父がぶっ倒れたの自分には無関係とか思ってんじゃねぇだろな!」
 声を荒げ、まくし立てる真由に、周辺テーブルの花咲くお喋りがしぼみ、凍り付いたように静まりかえり、目線が注がれる。
「おい真由……」
 父親が困惑。
 しまった、とレムリアは思った。麻子が表面だけで物事を断じる浅薄な思考回路の持ち主であることは解説するまでもあるまい。ちなみにこういう思考回路は苦労せず育った人間に多い。深く見ずとも事足りたため、そういう回路に脳神経が組まれてしまったのである。
 だから、子どものことを考えずにその親を奪おうなどと思ったり出来るのだろう。
 対し、子どもというのは、自分に直接関わる相手に対して、直感で本質を見抜く能力を持つ。超能力的ですらある。それほどまでに敏感な理由は自分の命に関わるからである。生物としての本能の発露と言って良い。レムリア自身、14歳の身である自分にも、まだそれがちゃんと残っていることが、東京の彼とその母親に接してよく判った。
 
(つづく)

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