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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-59-

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 さもなければ、空港で異国の迷子に声を掛けたりしない。
 あてがわれ・お仕着せに、無言で甘んじる娘ではない。
 だったら。
「そういうことなら……」
 レムリアは悩むように言い、腕組みして少しう~んと考え込んだ。
 そして。
「この船の乗組員ね」
「うん」
「中にもいるけどオッサンの集合体なわけよ。しかもこの船長みたいにゴツくてでかいのがゴロゴロと。泣くのよ、子どもが」
「へ?」
 真由は気の抜けたような顔。
 突然空から現れた船の使命は奇蹟を起こして人を救うこと。そのファンタジー性とコンセプトの高尚さは、形而上的ですらあると言っても良いかも知れない。
 しかしレムリアは、それが真由に敷居の高さ、とっつきにくさ、ひいては自分も同レベルの活動必須という義務感を与えていると判断し、このように冗談でぶちこわしたのだ。
 気楽さを失って欲しくないから。
 船の目的が何であれ、そもそもは友達の悪い子が、悪い友達が、夜遊びに誘い出したに過ぎないのだから……。
「レムリアも言うようになったな」
 かくして船長アルフォンススが苦笑した。
「張り合ってないとやってられませんので、船長殿。……てなわけで、そういう感じでなら、ちょっと手伝って貰えると嬉しいかも。大丈夫。さっきの迷子の男の子みたいに相手してくれればいいよ」
 レムリアは言うと、昇降スロープに向かい、アルフォンススとセレネの間に立った。後は真由の判断待ち。
 真由がレムリアを見る。レムリアは彼女の目にまだ多少の逡巡を見て取る。手伝いたいと言うには言ったがいざとなると……そんなところか。
「あなたを解き放ちたい」
 レムリアはその目に語る。
 
(つづく)

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