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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-65-

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「そう。この船の今の速度、巡航速度って言うけど、これで地球一周12分ほど」
「12分!?」
 振り返って尋ねる真由にレムリアは頷く。
「うん。……あ、あの太陽反射してる辺が五大湖ね」
「あ……ああほんとだ地図そっくり。わぁなんかゾクゾクしてきた。さっきまで常滑に、セラモールにいたのに。空を飛んでる。世界を巡っている。“常滑から世界へ”か」
 それは空港に付けられたキャッチコピーである。
「夢みたい」
「夢だったりして」
 レムリアはちょっと意地悪に笑って見せた。
 船が大西洋に出る。現在の進路は南東方向。船自体は舵を切ったわけではないが、紐をボールに巻き付けて頂ければ判るように、北へ向かってもいつしか南へ向かうことになる。
 大西洋を横切る。
 イベリア半島部よりユーラシアへ上陸する。地中海を横切り、アフリカ大陸へ入ると、緑地は沿岸のみで途切れ、すぐに視界一杯の砂漠地。
「サハラ」
 レムリアは言った。
「これが……」
 真由が息を呑む。
 ずっと砂漠が続く。針路前方を見てもその端は判然とせず、まさに地の果てまで続くが如く。
「広いね……温暖化砂漠化って言うけど、こうやって目の当たりするとなんか怖いみたい。有名な日本人の宇宙飛行士が、しきりに環境を口にしてるけど、口先だけじゃなくて真剣なんだってようやく実感沸いてきた。見ちゃうと、てゆーか、こうやって見なくちゃ判らないよこれ」
 真由は言った。上空から見ると、蒼や碧といった豊富な色彩に彩られた地球大地において、砂漠だけは、枯れた、或いは荒れた、“死”の地域のように感じるのだ。もちろん、実際には砂地に適応した多くの生き物が生息してはいるのだが。
 永遠かと思われた砂漠がようやく途切れ、インド洋へ出る。
 
(つづく)

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