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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-68-

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 レムリアが答えると、二人が水面を見つめる目線の方向へ、船からスポットライトの光芒が向けられる。なお、ソナーとは船が備えている音波探知機のことである。
 船が投じた光が、水の中に動きを捉える。深みよりせり上がる黒い影。
 流線型の煌めく身体が、飛沫を上げ音を立て、水上へ踊り出す。
「イルカ!」
 真由が叫ぶ。イルカは一度水面から飛び上がり宙返りし、再度飛び込むとレムリアの前に水面から顔を出した。
 立ち泳ぎでレムリアを見ている。その様子はまるで水族館のショーにおいて、飼育員の指示を待ってるかのよう。
 イルカと、レムリアの間に、意志の疎通が成立していることは説明するまでもあるまい。
「イルカに……?」
 かくして真由は問うた。
「そう。探してくれるって」
 レムリアは指で一回くるりと宙に円を描き、その円を投じるようにイルカに向けた。
 イルカが特有のキイという鋭い声で鳴き、水中深くその身を沈めて行く。
「あなたは何者」
 真由が問う。
 レムリアは真由の目をまっすぐに見返す。
 話すべき時が来たと知る。
 真由が口を開く。
「普通じゃないとは理解してる。姫様で、魔法のような手品を操る看護師で、世界中を飛び回るボランティアで。そして……この船……。そこに今度はイルカと喋ると来た。友達と言うなら教えて。あなたは一体何者」
「動物との意思疎通は……私の家系においては当然のたしなみの一つ」
 レムリアは先ず言った。
 そして。
「そんな能力を持つ者を、古来、人は魔女と呼んだ。そう私はホウキじゃなくて船に乗って空を飛ぶ魔女。
 魔法。アルフェラッツ・ムーンライト・マジック・ドライブ」
 レムリアは言い、真由の手を取った。
「魔法……じゃぁさっきのは呪文」
 頷く。
 
(つづく)

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