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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-69-

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 否定する必要はない。レムリアは真由を見、彼女の手を引き寄せ、まるで口づけでもするかのように彼女の両の頬を手で包み、しかし幼子の熱を計るように、額に、額で触れる。
 真由の目が見開かれる。
 これ以上ないと言うくらい見開かれ、震えすら伴いながら、驚愕の表情が形作られる。
〈どう?見つかりそう?〉
〈難しいですね。意識がないから。海流の速度から言えばこの辺……〉
 会話形で表現すれば、そんなやり取りが真由の意識で展開されたはずである。
 レムリアは、現在進行中で海中のイルカと交わしている意志の会話……テレパシーの一部を真由に垣間見せた。
〈見つけた!女の人。一人だけですね?〉
「副長」
『ええその人です』
〈……でも魔女さんこれは〉
〈何も言わず連れて来て〉
〈判りました〉
「ドクター、ソーラーセイル展帆(てんぱん)!。展開後操作権を私に移譲下さい」
 レムリアはそこで真由から額を離した。
 以上わずかの時間に起こった出来事……真由の意識の中で反芻がなされているので、それに従って書いてみる。
 まず、イルカは溺れ沈んだ女性を海底、砂の上に横たわった姿で発見した。東南アジア系、マレーシアの富豪の娘であるとまで、その時点で判っている。そこでレムリアはそのイメージを副長セレネへとテレパシーで転送する。この女性二人は永遠の電話よろしくほぼ常時テレパシーで繋がっているような状態であり、副長セレネは助けを求めた当人であると確認、その時点でレムリアはその旨イルカへ伝えた。イルカは女性の生命について不可能性を指摘したが、レムリアは構わないから連れて浮上してくるように指示。この際、イルカから、船をまたぐようにジャンプしながら女性を甲板へ放り出すので、適当に受け止めてくれと依頼が来た。そこでレムリアは船の帆をクッション代わりに用いることとし、操舵手である搭乗員、シュレーター博士に、帆の展開とその後の帆の操作権限を自分に引き渡すように依頼した。
 
(つづく)

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