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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-73-

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「ここまで大量に飲んでしまうと管入れて吸い出さなくちゃならない。だったらそれまで心臓動かして維持した方がいいんだ」
「そう……」
「話しかけて」
 無念そうな真由にレムリアは間髪入れず言った。
「血の巡りと呼吸は私たちがやる。あなたは意識を刺激してこの世に引き戻して。……国際的な職にある人でしょう。プライド刺激するにも英語の方がいい。意識と五感を刺激して引き戻す。手を握って、頬を包んで。こう言うの、あなたを助けました。今から病院へ向かいますって」
「わ、わかった」
 真由はアリスタルコスの肩から脱し、女性の手を取り、その冷たさに驚いたか一瞬ぴくりと震えたが、ためらうことなく次いで頬を包み、耳もとに向かって声を出す。
「You were saved. We go to a hospital from now on. Therefore please never give up !. We perform all can do it so that you survive.」
「あなたは素晴らしい。普通、いきなり出来るもんじゃない」
 レムリアはひとこと言った。
「レムリアの真似だよ」
 真由がはにかみながら答える。程なくイヤホンにピンという電子音。
『センターに到着する』
「了解」
 船が中空に停止し、次いで降下を始める。ニューカレドニアの月夜に対し、これから夕映えに移ろうかという時間帯の地域であり、欧州地域であると知れる。
 船が停止した。船が離水してよりここまで30秒。
「着いた。ここはこのプロジェクトのために用意された救急医療センター」
 程なく、船体左舷に下方より上昇してくるものがある。
 ストレッチャー(台車付き寝台)用リフトである。
 リフトには白衣をまとったアジア系の女性と、アフリカ系の男性。
 
(つづく)

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