グッバイ・レッド・ブリック・ロード-77-
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『甲板の二人動くな。我々が掃討する』
「了解」
言い終わると同時に船が急降下。例の暴風と共に船体を地表に付けた、かと思うと再浮上する。
直後、一方通行のように飛んでいた銃弾の流れに逆らい、グリーンとブルーの光条が無数に放たれ、突っ走る。
高出力のレーザビームである。驚愕の声、逃げまどっているのか無数の足音。対し、攻撃の銃声は途絶えた。
「あの光は船長達のレーザー光線銃。大丈夫、ハリウッドのアクションと違って戦闘能力を奪うだけ」
レムリアは説明した。彼らは長大サイズのそれら銃器(救助支援機器、が正式名称)を持ち、船体が地表に接した瞬間、先の昇降口より地面に降りたのである。なお、地上からは、後述するシステムによって、船を視認することはできない。
その時。
船の直下で、大型の太鼓を叩いたような、ドーンと尾を引く破裂音と炎の柱。それは、“大量の可燃ガスが膨張しながら燃焼した”系の爆発現象。
立ち上がる火柱と照らし出されたキャンプ。火の中に見えるのは、くしゃくしゃのシーツを思わせる破壊されたテントであり、周辺に散逸した段ボールや木箱、搬入に用いたかフォークリフト用パレット。
逃げまどう人々。
キャンプが放火された。
「水……」
真由が呟く。が、ここは砂漠地。
『ここにはない』
シュレーター博士の声と舌打ち。
「じゃぁどこからか」
『レムリア。私たちで対処しなくてはなりません』
セレネの声。今、船内には博士以外の“男手”は出払っている。無論その彼らとは無線で繋がっているので、どうしようと訊く事は可能ではあるが。
無線経由で聞こえてくる状況は、相談など出来そうもない。
「水……水を持ってくる……ペットボトルでああダメだそんな発想」
真由が自分の頭を拳で殴る。
(つづく)
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