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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-104-

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「うん」
 レムリアは受け取り、自分のも外してウェストポーチへ。
「……何か凄いことのようだな」
 これは父親。レムリアは頷いて。
「確かに凄いことだと思います。でも申し訳ありませんが女の秘密です」
 言い、ペロッと舌を出した。
「そりゃ参ったな」
「でもねお父様」
 レムリアは改めた。ようやく、これを伝えるべき時が来た。
「実はお父様に知っておいていただきたい秘密があります」
 真由が自分を見る。何を言うか悟っていると判る。でも止めることはないだろうとも判っている。
 流星は相変わらず途切れなく流れる。
「何かな?」
「真由ちゃん、学校でずっと嫌がらせされてるそうです。転校生のクセに生意気、とか。メールかネットでしょう……一晩明けたらみんなに無視だった、と」
 見開かれる父親の目線を、真由はうつむいて外した。
「そうか……」
 父親はひとこと言い、
 そして。
「それは苦しかったな。父さん、気付かなくてごめんな。ずーっと頭の中焼き物のことばかりで、お前のことが等閑(なおざり)だった。いや、大人二人がかりでお前に背を向けていたかもな。お前が何も言わないからって。ああ、自分で言ってお前にどんな淋しい思いをさせていたかと背筋が寒くなってきたよ。ひどいお父さんだな。言えないよな、自分が等閑にされてると感じてるのに、その相手に、そんなこと簡単に言えないよな。」
 父親は衝動的とも取れる動きで、自らの背丈とあまり変わらぬ長身の娘を抱き寄せた。
 真由はちょっと驚いた表情を見せたが、すぐに目の前の男の腕をそっと叩いて。
「でもこうやって夜っぴて私のこと探してくれたじゃん。最高の親父だよ」
 真由は言ったが、自戒の念か、父親が背中を震わせる。
 星が流れる。
 後から後から流れる中、東の空が徐々に白み始める。
 夜がひとつ、通り過ぎた。
 
(第1部・了。第2部へつづく

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