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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-105-

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~第2部~
 

11

 
 土曜と日曜を、レムリアは真由の家、陶器工房で過ごし、真由の今後について、自分の体験を含めて対応を練った。
 まず決定事項は、とりあえず学校に行かない。端的な理由は、それこそどんな仕返しが待っているか判ったものではないからだ。ちなみに、ここで仕返しとして、“物品の隠蔽や破損”などを想起した方には、申し訳ないが甘いと言わねばならぬ。なぜなら現行のいじめの主眼は“汚辱を与える”ことだからだ。すなわち。
 
 汚す。
 辱める。
 
 端的には性的な内容であったり、汚物、血液、動物の死骸が用いられる事も多々。
 また、流星の夜空で真由の心が一応の治癒を見たと解釈するならば、次のステップとして、加害者側への働きかけが必要になってくるが、それは本質的には学校の仕事である。もちろん直接、警察や法の力に訴える方法もあるし、緊急性が高ければそちらを選択すべきであるが、それのみでは、当座の対応……すなわち、自分に関してだけ強制着陸を行ったに過ぎない。確かに第一優先であろうが、この件で重要なのは中止、復古、そして何と言っても再発防止だ。これには学校自体が対応したシステムに変わらねばならず、学校側に気付かせる必要は絶対だ。この双方を満たすアクションとして、レムリアが選択したのが“登校拒絶”である。
 伴い、レムリアは、気が済むまで家にいるのも選択肢、と真由に言ったのだが、真由自身は、自分のために多くの大人が動くことに抵抗を示した上で、アルゴプロジェクトと行動したこともあろう、『無為に家にいるだけじゃなく、誰かのために何かしたい』、との意向を示した。これについては、次のアルゴプロジェクト活動が、燃料の特殊性から3週間後になるため、自ずからそれ以外で、となった。ちなみにレムリアはその方面のツテを多く有しており、日本国内でも十指を下らない。なお、真由の意向は記した通りだが、これは例のひとつに過ぎず、一般解を示したわけではない。最適解は個々人で異なり、本人の意向や心理状態、被害の深刻さなどを勘案して決めるべきである。例えば“何もしたくない”、のであれば、何もさせてはいけない。勉強すらさせるべきではない(何度も書くようだが、勉強など後からどうにでもなる)。これだ、と決めつけず、学校や自治体のカウンセラーに相談し、本人が納得する形にされたい。また、彼女は自分のために周囲が動くことに負い目を感じるようだが、仮に同様の気持ちを示されたならば、『大人が家族を守るのは本能であり当然』と答えればよいだろう。なお、セレネとのやりとりで示唆的に書いたが、この手の問題を被害者が口に出来ず、隠蔽されるのは、“子どものケンカ扱いされるのでは”という危惧不安が被害者側に常にあるから、でもある。“子ども”ではなく、家族の一員として守るのだという意思表示が大人・親の側には求められる。
 
(つづく)

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