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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-112-

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「アホ、ですか?」
 レムリアは眉をゆがめて。
「それこそ保育園の園庭でも1日覗いて御覧なさい。内容が些細なだけでいじめなんて日常茶飯事ですよ。いじめの有無で査定に響くなら保育士なんてやってらんない。肝心なのはその芽を摘むことと、発見後の速やかな対処ではないですか?いじめの問題が厄介なのは隠すから日の目を見ないこと。証拠をなるべく残さないようにやるのがいじめでしょうが。なのに教員自らがそれを隠そうとし、あまつさえは証拠は?と来た。そんなの他ならぬ教員自身がいじめに加担していることになるんですよ。違いますか?」
「語るお嬢さんだなぁ」
 学年主任が薄笑いを浮かべる。小馬鹿にするという表現以外言葉が見つからない。
 ホラ来た。レムリアは思った。オトナは、子どもから図星食らうと、関係ない方向に話題を振ったり、別口から糾弾しようとするのだ。
 その手に乗るか。レムリアはスッと息を吸い。
「だまらっしゃい!」
 一喝。華奢で小柄な少女から発せられた突然の大音声に、教員二人は身体をびくりと震わせる。
 ちなみに声楽家の発声法を使った。身体全体を共鳴装置……バイオリンの胴のように響かせるのだ。王族の娘である。拡声器のない時代に城から肉声で触れを出していた頃からの習わしで、一通りレクチャーを受けている。
「一つ問う。あなた方のこれまでの言動を、真由ちゃんが聞いていたとしたら、彼女の心理状態がどうなるか、説明出来るか」
 教員二人はハッとしたような目を見せ、口ごもった。
 レムリアはたたみかける。
「自分の子供がいじめられたと帰ってきて、それは本当か?とあなた方は問うのか。お前それ本当かと訊き返すのか。親にそう言われた子供の心理を説明出来るか」
 
(つづく)

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