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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-117-

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 彼は走る男達を何事かと見送り、入れ替わりにこちらへ走って来た。
「書類のお届け……ですが……」
 携えているのは国際書類配送会社のエンヴェロープ(封筒)。
 A4用紙が入るサイズである。父親がサインして受け取り、開くと、賞状を思わせる書類と写真。全て横文字で英語とフランス語併記。
「これは……真由への感謝状じゃないか。……ひょっとして、これが君が言った修了証、かね?」
「そうです。その終了証です」
「君らはあの晩……」
「救助活動を少し」
「君の?」
「はい。違う団体のですけど」
 写真は、例の母子をプロジェクト直属の病院へ届けた際に、院長らと撮影したスナップ。
「ほぉ……」
 父親は感心することしきり。
 レムリアはその間に電話の子機を手に取る。着信履歴から学校へ電話。
 真由の名を出し、自殺騒ぎを掌握している旨伝え、担任の携帯電話を聞き出す。
 すぐさま担任の携帯電話に掛け直す。事態の様相を聞くためである。
 実際は教員連中と同行したいところである。しかしその娘は自分を知っている。自分を発見して反射的に、となったら困るので控えた。
 その前にワンクッション、である。“あんな”教員であれ、何か言葉を掛けることで少しは衝動は収まるはずだからだ。
 果たして担任はワンコールで出た。
『君はさっきの……』
 訊くとこう着状態。「バレたら何もかもおしまいだ!」と叫んでいるという。
『僕もどうすればいいのか……』
 明らかに頼る口調である。この“師”を肩書きに付けた男は、14の小娘に一体何を尋ねているのか。
 まぁ、未婚の男性がこのくらいの娘を持て余すのは当然、の部分もあると思うが。
 さておき事態は把握。レムリアはちょっと待ってろと告げ、電話を切った。
「お父様」
「なんだい?」
 
(つづく)

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