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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-124-

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 救急車が止まり、裏口を思わせる救急搬入口のドアが開くと、待機していた医師と看護師に、レムリアはまず医療団の看護師IDを見せた。
「彼女の友達です。状況を把握したいので診察、必要ならばオペに同行させて頂きたく」
 と、IDを眺めていた女性看護師のひとりが気付いた。
「EFMMの……うわ、あなたひょっとしてプリンセス……さん?万博に見えた」
 まんまるの目と、少しの笑み。
「ご内密に。で、どちらに?」
 ウィンクで応じる。
「……判りました。とりあえず」
 真由と坂本教諭には受付やら連絡やらを依頼し、ストレッチャーを病院スタッフと院内へ運び込む。長い距離は要せず救急処置室へ向かい、即座に頭部レントゲン。現像不要のパソコン制御。
 この間に連絡が行ったのであろう、年配の男性医師が処置室へ入ってくる。
「整形外科の倉田(くらた)です。……ああ、あなたが」
 倉田という整形外科医は立ち止まり、しばしレムリアを見つめた。その物言いはレムリアが何者か知らされているということ。
「……です。よろしく、おねがい、します」
 レムリアは固まったような倉田医師に頭を下げた。……自分に見とれている、らしいと感じたが、自惚れたようなことは考えたくない。
 すると倉田医師は頬に薄紅を浮かべて、
「かわいい……ああ、いやいや申し訳ない。じゃぁ早速診させて頂きます」
「画像処理が終わったのでこちらへどうぞ」
 次いで脳外科医師が言い、パソコンをカチャカチャ。
 斯くして、脳外科の医師と膝突き合わせてパソコンモニタのレントゲンを見ながら、その傍らで整形外科医が肩をゴリゴリ。
「骨、脳とも所見は正常です」
 無精ひげの脳外科医師は、しかし言葉だけは丁寧に画面を見ながら言った。3次元撮影なので、立体表示された頭蓋骨と、その内部の脳までうっすら映った状態で画面に出ている。マウスでぐりぐりやると画面中の頭蓋骨がぐるぐる回る。前頭部、頭頂部、側頭部、脳底部。頸椎との間接……これでケガや変形、出血による血の塊、などがあると、見た瞬間“ズキッ”と感じる影や亀裂があるのだが、それらは認められない。
 
(つづく)

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