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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-128-

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「イヤだったんだ」
 由香は何枚目かのティッシュをくずかごに放ると、その軌跡を目で追いながら、そう呟いた。
「だけど……」
「断れなかった、でしょ」
 真由が先回り。
「うん」
「だろうと思った。だから私はあなたのことをどうこう、とは思わない。あなたも被害者なんだよ」
 真由は、深刻とは対極にある口調で、そう言った。
 由香が真由に目を向け、傍らレムリアの腕に気付く。
「あなた……その腕はもしかして……さっき私を……」
 二人だけ、から他に目を向ける余裕が出た。レムリアはそう考え、口を開いた。
「ああこれ?無関係だから気にしない。さて、それよりも私があなたに言いたいのはこれ。今後どうしますか?はっきり言うけど、あなたたちの学校の先生は無能無知です。このまま帰ったら、今度はあなたが、何のかんの言われてターゲットにされるでしょう。必要であれば私が通っているフリースクールに話を通します。日本国外だから、あなたのお義理のお仲間に顔を合わせる機会は絶対にありません」
「日本国外?」
 由香が目を剥く。
「オランダだって」
 真由が補足。
「あのう……」
 ここでようやく?坂本教諭がカーテンの影から全身を見せ、口を開いた。否、挟んだ。
「よく判らないまま付いてきたけど、良かったら、背景を教えてもらえる?無能無知……に毛が生えた程度かもしれないけど、何もしないよりはマシかも知れないから」
 坂本教諭はベッドの二人を交互に見ながら、右手はレムリアの吊った肩へ。
 その肩の手は、自分を無視するつもりは無いよという気配り、と、レムリアは判じた。
「どうする?話していい?」
 レムリアは二人の意志を問うた。ここまでの言動からして、この教諭坂本は主任らと一線を画す存在ではあろう。しかし、だからって信用・丸投げ、は、そうであってもすべきでないと思ったのだ。
 
(つづく)

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