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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-130-

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 単刀直入に訊くでなく、しかも恐らくは、それぞれの問いが由香にとって“意表を突く”内容。
 ……想定外の質問にはつい本音が出るもの。
 由香は何でそんな?とでも言いたげに目を円くして。
「え?栄(さかえ)行って買い物したりゲーセン行ったり……」
 栄というのは名古屋市中心の繁華街である。ゲーセンはゲームセンターの意。
「お金かかるんじゃない?」
「でも、いっつも……」
 確かに毎度アシが出るが、その大量に小遣いを持たされている娘が奢ってくれるから、自分は滅多に財布は開けない、と由香は答えた。
 坂本教諭はあらまぁ勿体ないと応じて。
「お金は大切にしなくちゃ。でも……それだけお金使えばそれなりに楽しいか」
 少し笑み。
「まぁ、はい」
「ふーん。あ、ちょっと待ってね。あなたが問題ないってこと学校に連絡してないから」
 坂本教諭は席を立ち、レムリアに目配せし、部屋を出た。
 レムリアはそれを、ちょっと頼むね、と解した。坂本教諭的には、自分の矢継ぎ早な質問攻撃に対し、間を取りたいのだろう。しかしコミュニケーションの空白は作りたくないのだ。で、自分にしばしバトン、である。
 だったら……。
 女の子のコミュニケーションの基本は、お喋りとスイーツ。
「でも、そーいうのっていつも同じコトの繰り返しでしょ?だんだん刺激が足りなくなって行くと思うんだけど。そんな感じなかった?」
 レムリアは坂本教諭の内容を受け継ぐ形で問い、手を握り、握った手を開き、一口サイズのチョコレートを取り出した。
「……!?何今の」
 由香は当然驚いた。
「手品。はいどうぞ」
 二人にあげる。由香はそのチョコを口に含み。
「……だんだん、何やってもつまんない、って感じになって行ったのは確かかな。そう。それで真由……ちゃんが越して来て」
 
(つづく)

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