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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-132-

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「あなたうちの学校の子?」
 廊下に出るなり、坂本教諭は尋ねた。
 教諭はレムリアの正体を知らない。看護師IDを出した時、救急隊員とやりとりしていたからだ。
「いいえ。日本人ですらありません」
「あらそうなの!?……日本語上手ねぇ」
 教諭が目を剥く。レムリアがそうと知った人が必ず見せる反応。
「恐れ入ります」
 はにかんだレムリアに、坂本教諭はじゃぁ無関係なのね、と念押しした上で、残りの3人について明かした。
 曰く“問題生徒”であると共に、3人の親は、それぞれに学校から見れば“問題父母”であるという。具体的には、まず金持ちで習い事……の親は、通信簿を渡した晩に毎度電話して来て文句を言っては、これだから公立は、と捨てゼリフを吐いて電話を切るという。
 要するに、私立の中高一貫校に不合格となった結果として、この学校にいるのだ。これはまず、その子どもは負い目と不満を抱えているだろう、と考えが及ぶ。つまり、“不合格になった自分のせい”という、消せない事実に対する敗北認識だ。であれば、親の“文句をつける”という行為は、その都度“敗北”を再認識させる行為に他ならない。
 次に、父親から高額な小遣いの娘は、その父親が遊び人らしく、連絡が取れる状況ではなく。
 唯一の“普通の娘”も、成績は良いそうだが。
「音楽の授業となるとルーズそのものでね。要するに勉強疲れなのね。受験に必要な主要五科目だけ、毎夜毎晩詰め込んでいるみたい。燃え尽きるよあの子は」
 普通。すなわち“何も波風がない”。それは単に我慢を重ねて溜め込んでいるかも、ということか。そのはけ口として『むかつかね?』の口車に乗った……。あり得ることだ。但し、以上はレムリアの単なる推論。
 
(つづく)

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