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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-143-

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 真由は言い、同様に正座した。
「私の父が同じ立場であったならば、同じ事を申したでしょう。……えーと先生」
「はい」
「はい」
 教諭と医師と、『先生』と呼ばれる二人が同時に応じた。
 二人して顔を見合わせて吹き出す。
「どっち?」
「どっちもです」
 言ったのは由香の方。
「退院します。それから……そんなわけで今日は学校は」
「そのことだけど」
 坂本教諭。
「あなたは……あなた『も』か、多分この相原姫さんが理由を言ったかも知れないけど、当分行かない方がいい。話は私から学校へ通す」
 笑顔が花咲く中、坂本教諭は一人深刻な顔つきで、そう言った。
 深刻になる理由は容易に想像が付く。由香はもう良いが、“3人”が、まだ残っており、学校は隠蔽体質。そんなところへ由香が顔を出せば何が起こるか。そして、その状況をどうやって打開するべきか。
 レムリアは、坂本教諭の心理に、堅く高い壁の存在を見た。
 

14

 
 退院手続きを終え、タクシーを待つ間に、真由は自宅へ電話した。病室で携帯電話というわけには行かないからだ。ちなみに、タクシーは前席2人乗車が可能な中型車を指定して呼びつけた。5人で相乗りし、真由らが途中で降り、最終的に坂本教諭が学校まで乗って行く、という算段。
「お客様いらっしゃるんだけどいいかなぁ。川俣先生にも……え?」
 父親からの返事に、真由は目を見開いた。
「教頭……先生が?」
 由香と坂本教諭が真由に目を向ける。
『そうなんだ。学校を代表して謝りたいと。じゃぁお前に直接言うのが筋だろって待たせてある』
 父親はそう言った。真由は電話を切ると、その旨を一同に話した。
 レムリアとしては釈然としない。
「この状況で何より心配するべきは由香ちゃんの状況じゃないの?……と思ったのはゲスの勘ぐり?」
 
(つづく)

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