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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-144-

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 レムリアは言い、下唇を噛んだ。何か、何か作為を感じるのは、自分の経験がもたらす、歪んだ視点か。
 思わず坂本教諭を見る。私は言いすぎてますか?
「彼女について……教頭は何か訊きましたか?」
 坂本教諭の問いに、真由は首を左右に振った。
「全然、一言も。……なんだろ、なんかこう『それはそれ、これはこれ』みたいな」
 それはレムリアの感じる“作為”を、真由もそれなりに感じているということであろう。もちろん、作為を感じるのは、彼女もまた学校へ不信感を抱いているからに相違あるまい。
 すると。
「ごめんね」
 坂本教諭が、由香に言った。
「え?」
 由香は首を傾げて見返した。
「多分……だけどね。向こうさん、まさかあなたたちが一緒にいるとは思ってないわけよ。……無能無知か。空気読めないというか“生徒の立場の思考法”じゃないのは確かかもね」
 タクシーが到着し、乗り込む。5人だが全員女性であり、窮屈と言うことはない。ただ、運転手が男性であり、コラムシフトのギアチェンジ操作の邪魔にならないよう、小柄なレムリアと、真由の祖母が前席。
 走り出す。行き先を告げると、まずは救急車のルートを逆行。
「気にくわない点がもう一つあるんですけど」
 レムリアは我慢できず口にした。
「というと?」
 坂本教諭が、後席から身を乗り出す。
「端的には“お前ウソツキだろ”ってのが、今朝方真由ちゃん宅で聞いた反応なんですよ。それが日が昇ったら手のひら返して……」
「私のことで、真実だ、と判ったからじゃないの?」
 これは由香。
「だったら、真由ちゃんが学校駆けつけた時点でそう言って然るべき……今更ってのがイヤというか気になるわけ」
 レムリアはそこで言葉を切った。この時間差には心当たりがあるのだが、それが正解なら間もなく自ずから判ることだし、そうじゃないなら余計なことまで言う必要はない。
 
(つづく)

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