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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-148-

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「メディア様で……」
 近づいてくるレムリアに対して、教頭は“お尋ね”した。
「さようでございます。教頭先生でいらっしゃいますか?」
「はい。本来は校長が伺いますべき所、生憎と所用で出ておりまして……」
「で、真由ちゃんへの謝罪というのはお済みになったのですか?」
 いきなり本題を提示すると教頭は目を剥き
「あ、いえ、メディア様のご到着をお待ち……」
 だめだこりゃ。
「私自身を待つことと、彼女に謝らなくちゃならないことに、何か関係があるんですか?」
 呆れながら言い、教頭を置き去りにして引き戸を開け、さっさと靴を脱いで上がり込む。
「すいません遅くなりました」
「あ、姫ちゃんこっち~」
 真由の軽やかなトーンは渡り廊下の向こうから。すなわち、あの古い壺がある部屋へ客人を案内した、ということであろう。
 レムリアはそこで靴の向きを変えがてら、玄関の板の間に正座し、教頭と相対した。
 教頭は狼狽顔。態度ツンツンの小娘を扱いあぐねている。そんな感じ。
「ともかく、お上がり下さい」
 レムリアは言った。判ってない人に、だからって突っぱねるだけでは、何も始まらない。
「わたくしをお待ちとのこと。遅れまして申し訳ありません。この通り到着いたしましたので、お話をお伺いさせていただきたく」
「ああ、ああ、はいはい」
 教頭は引き戸の敷居に蹴躓きながら、三和土へ入ってきた。
 平身低頭、といった案配の教頭を先導する。廊下を歩き、灯り漏れる壺のある部屋へ入ると、自分を見つめる全員の目。なお、この場の大人は真由の父、由香の祖母、教頭に、担任。
「なんか私を待って頂いたようで、恐縮です」
 レムリアは知らんぷりして言い、正座した。
「あなたは……」
 真由の父親が口元を震わせる。どなた様。続く言葉を選べと言ったら、これが適切になるのだろう。
 
(つづく)

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