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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-150-

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「正直なことを申します。あなた様が……その、そのようなお方だ、ということが判り、大変お怒りということで直ちに調査させました」
「動機は不純ですね。でも調査頂いたことは素直にありがたく存じます。それで」
 レムリアの問いに、教頭は後ろ手を担任に向けパタパタ動かした。“ホレお前が言え”という促しであろう。
 担任は小さくハイハイと声を出し、正座の状態のまま、いざり出。
「あ、はい。クラスに臨時学活で尋ねました。彼女をいじめた者がいるかと」
「は!?」
 担任の回答に、レムリアは自分でも予想外なほど大きな声で応じてしまった。
 なぜなら文字通り予想外だったからだ。そんなこと13~14の年齢帯にダイレクトに訊くバカがどこにいる。
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(ここにいる。2012/07/09)
 落ち着け。自分、落ち着け。
「先生、確認させていただきますが、真由ちゃんをいじめた者がいるか?と直接お尋ねになったのですか?」
「あ、はいそう。……ですが……何か……」
 反射的に山ほどの罵詈雑言が日本語の引き出しから飛び出して来ようとする。しかし一散に出ようとしたせいか、相互に絡み合って引き出しに引っかかり、言葉としては結実せず出てこない。
 そうした罵詈の裏の思いはこれである。彼女がいじめられていると、わざわざクラス中に教えてどうするのだ。
 もちろん、それで義を感じて彼女を守ろうと立ち上がる生徒が現れる……という可能性は考えられなくもない。そうあればありがたい。だが、まず憂慮すべきは、“だったら自分も彼女と距離を取ろう”という反応ではないのか。
 巻き添えになってたまるかと思うのが普通ではないのか。
 どうして、どうしてここまで、最もやって欲しくないことを、最もやって欲しくない形で、最もやって欲しくないタイミングに、やってのけてしまえるのだろう。
 
(つづく)

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