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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-152-

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 戻る。果たして担任はうつむきながら。
「どこって……いえ……特に……」
「特に、というのはどういう意味ですか。どこか特定の方向に視線を向ける生徒はいなかった。或いは、先生自身が生徒の目線の行く先など追わなかった。どちらでしょう」
「後者……です」
 担任は素直に応じて頭を垂れた。いい加減に、或いは大概に、か。この問題に対し、己れがレムリア以上の対処能力を有していない、と悟ったようである。
「判りました。ではもう一つお訊きします。その際、先生は、我々が加害者とお伝えした生徒へ目を向けられましたか?」
「はい」
「3人、教室にいたと思いますが3人とも、ですか?」
「はい」
「それぞれの反応をお聞かせ下さい」
 そこで教頭が口を挟む。
「失礼ですがそれはプライバシーに……」
 それは、もはやおなじみ(?)“全然関係ないことで言いがかり”。
「彼女が被害者であると口外することはいいんですか?」
 レムリアの切り返しに教頭は口ごもった。
 担任は3人の反応について説明した。
 “金持ちで習い事”は外を向いたまま身じろぐこともなく。
 “親から小遣い”は“燃え尽き予備軍の普通の娘”へ視線をじろり。
 そして当の“燃え尽き予備軍”は、その目線を避けるようにうつむいたまま。
「そういや彼女……」
 由香が口を開く。“燃え尽き予備軍”の娘のこと。
「その……真由にひどいことしながら……時々私のこと見てたな。こんなことしてていいのかな、みたいな感じで」
 その言にレムリアは小さく頷いた。
 事態はあらかた掌握した。感謝状に対して学校の取ったアクションは明らかに間違いであるが、その全てが否定されるべきでもない光明が、一つだけ見いだせた。
 言うまでもなくその“うつむいていた”という、燃え尽き予備軍の娘である。由香の言葉も含めて解釈すれば、悪いことをしているという自覚があるわけで、従い、彼女はアプローチの方法次第で“導く”ことができると見られる。
 
(つづく)

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