« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-157- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-159- »

グッバイ・レッド・ブリック・ロード-158-

←前へ次へ→
 
 続いて“燃え尽き予備軍”の娘の話。音楽の授業態度が今ひとつ……にかこつけて呼び出した。
「そのついでに訊きました。あなた、真由ちゃんに何かされたのか、と」
 上手だ、レムリアは思った。被害の訴えが、ではなく、仕返しとして何かしたのか?と尋ねたのだ。
 理由は……記述を控える。加害側が本稿を目にして悪用しないとも限らないからだ。但し、レムリアと学年主任とのやりとりに示唆は存在する、とだけ記しておく。
「泣き出しました」
 坂本教諭は言った。
「素直に認めました。真由ちゃんに何かするとスッとしたような気がして。とのことでした。そして、出て来なくなったので怖い、とも」
 そんなに素直に“悪いことをした”と認めるものか?と訝る向きもあるだろう。その疑問には原点に立ち返っていただきたい。
 “悪いこと”という自覚があるから隠そうとするのだ。
「だったらとりあえずやめたら?と言いました。そしたらまた、怖い、と。ただ、こっちの“怖い”は前の“怖い”と意味が違って、もっと恐ろしい」
「仕返しが……違いますか?」
 レムリアは言った。無論“グループから抜ける”ことへの仕返しが怖いという意味だ。暴力を働く集団は、それ自体、暴力をタガに統制している場合が多い。それこそ小は学校の不良グループから大はテロリスト集団まで共通して見られる話。
 坂本教諭は頷き。
「そう。しかも問題はその怖いが心底怖いだろうなということ」
 坂本教諭は前置きし、衝撃的なことを口にした。その残った二人である。道すがら幼い子を蹴飛ばすような非道を平気で働くというのだ。
 制服の女子生徒が小さな子を蹴飛ばして歩く。
 想像を絶する光景、と捉える向きがおられることを否定しない。
 
(つづく)

|

« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-157- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-159- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: グッバイ・レッド・ブリック・ロード-158-:

« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-157- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-159- »