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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-160-

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「その節は失礼を」
 レムリアは思わずペコリ。
「いやいやいいよ。むしろ目が覚めた。しかしその親御さん、成績が悪いと学校に文句言うそうですね。それで有名だとか」
「ええ。親が噛みついてくれる。だから子供の溜飲が下がってしまう。こうなると“自分は常に正しい”という認識しか持たない。それで考えたんですがね。真由ちゃん」
「なんですか?」
「こっちの姫さんが手配してるボランティア活動。終わったら学校で発表なさい」
「え?」
「先生それはちょっと……」
 レムリアが難色を示すと。
「ああもちろんボランティアってこれ見よがしの活動じゃない。それは認識してるの。ただね」
 坂本教諭は言い、理由が3つある、とした。
「ひとつは、あなた達を病気療養とすることを、校長が渋ってるの。……姫さん、彼女たちに心療内科が診断を下すとすれば何と書く?」
「不安障害、鬱傾向、PTSD……いずれか、或いは複合かになるでしょう」
「でしょ?いずれにしても心の病よね。するとね。……もうダイレクトに言っちゃうけど校長が“その上”から管理責任を問われる訳よ。だから課外授業扱いならOKだが、と」
 一同を沈黙が支配する。
 最早、開いた口が塞がらない、どころのレベルではない。驚愕のあまり思考停止とはこのことか。まばたきどころか、呼吸すら忘れそうになる。
「続けていい……ですか?」
 一同の“固着状態”は、坂本教諭が思わず確認するほど。
「ああ……はい」
「皆さんのお気持ちは判ります。でね。だとすれば、結果報告、レポートってヤツが必要になるわけ。学校に提出するならどのみち、これがひとつ」
「まぁそこが妥協点なんだろう」
 父親が口を挟んだ。
「何もなかったことにして無理して出席させようとすれば、確実にもっと悪い事態を招く。それはさすがに目に見えているからな。それよりは出させない、だがしかしってわけだ。責任を坂本先生にって予防線を張っておいて……ああ失言失礼。どうぞ」
 
(つづく)

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