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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-169-

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 その対処にはカウンセラーのレベルでは不十分だとレムリアは考えている。本当は親の役目だが、そういう子どもにしてしまった親など当然排除。親以上に親身に、時として何夜でも一緒に寝泊まりするくらいのレベルの人材が求められるのだ。当然同じコドモである自分如きではダメ。思いつくのは常識の範疇ではシスターだけだ。……子どもを安らぎのままに神へ委ねることすらできる、シスターだけだ。
 果たして、シスターからは次の便で発つと返事が来た。中部到着はやはり10時台、ギリギリである。ただ、空港が目と鼻なのがせめてもの救い。
 アナウンスが流れ、自分たちのチェックインの時刻を知らせる。彼女たちはベンチを立ち、それぞれ携帯電話の電源を落とす。本当なら昨夜の時点で船を呼びつけたかった。所有しているコルキス王国と船長に許可を得、操舵手であるシュレーター博士の身体の都合が付けばよいのだ。しかし、博士は博士……大学教授が本職であり、彼の地は真っ昼間。動けまい。もちろん、電話一発で全部放り出して駆けつけてくれる男であるが、そこまでやるのは心理的に抵抗がある。当初予定にちょいと寄り道……の真由の時とは違う。現在は先方深夜であり尚。
 そして、2機のジェットライナーがそれぞれ東上・南下の空路より着陸態勢に移ろうとする時間。
 午前10時少々。
 これから披露宴にご招待か?と思うような、鼈甲の眼鏡に派手な衣服の年配女性が、タクシーで中学校に乗り付けた。
 件の親である。約束の10時40分は坂本教諭の授業が終わる時刻なのだが、時計を見る風でもなく、早着を意に介している様子はない。早く来たくて早々から準備をし、挙げ句待ち切れず来た、そんな風情。
 
(つづく)

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