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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-174-

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 老獪……校長のもの言いは、この言葉が最もしっくり来るだろう。口調にも表情にも何らの変化特徴を表さず、淡々とやんわりと、しかし言うべきことは言う。その応対はこの校長が母親、を“扱い慣れている”印象だった……と後に坂本は語った。ちなみに校長がここへ来たのは、応接室の怒鳴り声に異変を感じた他の教員の連絡を受け、坂本が母親、を扱いあぐねているのでは?と考えたためだという。なお、校長のもの言いから判るように、少々、事前に廊下で立ち聞きし、状況を掌握したようだ。
「まぁお座り下さい。お母様のご意志は充分に理解致しました。しかし、断を下すには根拠と情報が不足です。ご説明差し上げたいのですが」
 校長は母親、が何か言おうとした機先を制して言ったが。
「ウチの娘に責任をという話なら聞きませんよ!」
 がなる声が廊下に響く。
 校長は後ろ手にドアをそっと閉じ、
「授業中ですので大きな声はお控え下さい。わたくしどもがお母様にお願いしたいのは以下の通りです。我々の調査項目に対するお嬢様の認識、反応を知りたいのです」
「ですからそれは!」
「大声はお控えを。誤解なさらず。被害を訴えた側に非がある、平たく言えば被害申告が嘘つきの可能性も充分にあるのです。その場合、それはそれで証明する必要があるので、お嬢様のお言葉、認識が必要と申し上げたいのです」
「そんなもんウソに決まってるでしょ!ウチの娘がそんなこと……」
「それじゃ議論にならんのですよ」
「そもそもそんな必要ない!」
 そこで坂本が口を挟んだ。
「じゃぁ何で本日は本校に?」
「決まってるでしょ!ウチの娘を犯人呼ばわりした犯人を見付けるためです!」
「ですから、それなら私ですと先ほどから申し上げております。ですので、私が納得したいためにお嬢様の言葉を頂戴したいと申しております」
 坂本は言った。
 
(つづく)

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