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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-189-

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「独立心は現状打破という気持ちにまず出現する」
 そう言うと、今度は坂本教諭の方が“意表を突かれた”か、目を見開き。
「結論から来ますかねこの可愛い“M”さんは。ええそう。校長は、『自分が一人の人間として独立した存在であり、それを周囲に認めさせたいと思う』気持ちや行動が、この娘さんには出てきてないね。そういう気持ちが芽生えさせないようにしたのは誰だろね、って言外に言ってるわけ。含蓄ありすぎてヒス……じゃない、怒り心頭の状態の母親さんがスッと把握したかはどうかは判らないけどね」
「自分で考え、行動する。そうしたいという気持ちが親への反抗として現れて当然」
「そういうこと。それを親の方から避けて、先回りしてあれこれ手を焼いたら、打破したいという気持ちにならない。その結果出来上がるのは、あなたが言った通り、愛情を掛けたつもりなのに愛に飢えた子。そして実は、そのあれこれ手を焼かれる状態、親の操り人形ってのが打破したい現状だったりするんだけれど、意識できるような現状……つまり抑制の枠やタガが見えないから、無意識でモヤモヤしてるだけ。結果、なんか知らないけど何となくむかつく日常。で、最も原始的なフラストレーション反応が出ると。……しかしあなた本当に14歳?」
「ひねくれてますけどね」
「嘘」
 それは、年齢を誤魔化しているだろ?というより、自分が何か隠しているという指摘だ。と、レムリアはこれまでの経緯もふまえて受け止めた。
 だったら。
「受けた側です。だから、真由ちゃんの気持ちは自分のことのように判る」
 坂本教諭が目を見開く。そしてゆっくり頷く。
「それで彼女の味方に……」
「ええ、しかも自分は単に逃げただけでウヤムヤにした。確かに当座はそれで終わりました。でも、それで良かったのか、そもそも何でそんな目にあったのか。なぜ?なぜ?ずっと問い続けた。そのボランティア活動を通じていろんな子ども達を見てきた。子ども達を通じていろんな親御さんに接した。
 いじめるような子どもは、周囲にはもちろん、実は親にも絶対に愛されてない。愛してると口で言っても、所詮口先のコトバだけ。子どもにとって肌で感じられるものではない。だから、いじめる子どもは、それでしか“自分の居場所”を確認する手段を知らない、実は可哀想な子」
 
(つづく)

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