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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-198-

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19

 
 クラス崩壊の危機……に対する、二人の答えは明快であった。
「私たち二人が仲いいところ見せればいいじゃん」
 真由が即答した。
 その手段は。
「いつか姫……さんが棚上げした“報告会”。あれを一緒にやればいいと思う」
 と、由香。レムリアに“ちゃん”でいいよと言われると、彼女は続けて、
「じゃぁ姫……ちゃん、達とぐるっと巡って……優等生ぶるつもりはないんだけど、“話したい、知って欲しい”と思うことがここでぐるぐるしてるんだ」
 由香は自分の胸元を指先で軽く叩き、言った。
 坂本教諭は頷き、レムリアに目を向けた。
「どう思われます?」
「先生までもう……敬語禁止!。目立ちすぎの懸念でしたら……それぞれ“ひとりぼっち”だったなら、今でもNGでしょう。でも今は違う。今は“二人”です。二人は二人であれば、その懸念を超越できます。命戦う姿を知る者は、愛飢えた心を包含する。私は何も心配していません。それに、仮にもし何かあれば引っこ抜いちゃうだけです」
「引っこ抜く?」
「文字通り引っこ抜きに来ますよ彼女」
 首を傾げる坂本教諭に、真由は小さく笑った。もちろん、“空飛ぶ船”を背景にした発言である。
 対し、レムリアは坂本教諭の目の前で手を握り、手を開き、鍵束をちゃりんと言わせて取り出した。
「こんな感じで引っこ抜きます」
「あ、あたしのカギ……え?いつの間に?」
 慌ててハンドバッグを覗く坂本教諭。
「病院のチョコと同じ手品です。不可能も可能になるって証明としてよく使います。すると子ども達言ってくれますよ。また来てねって。待ってるって」
 このセリフの重大な意味には、父親の方が先に気付いた。
「君……あなたは、“一期一会”という言葉が嫌いだね」
 
(つづく)

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