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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-207-

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「強制的に体育館かき集めていい子ぶりっこ自慢大会かよ」
「私たちは、私たちの方が、実はとてもみじめな存在なんだって気がしてきて、逆に泣けてきました」
「こんなに、一生懸命、何かしよう、生きよう、と思ったことってあったっけ。って」
「だから」
 そこで二人は声を揃えた。
 二人一緒に、ミサンガで一杯の手首を聴衆に見せる。
「これは私たちがしてきた約束の証です。また会う日までの」
 少し間を置く。
 次は何?と求める気持ちを聴衆に感じる。
 そのシンクロし始める大きな波の中に、ひとつ混じる、冷徹で尖った感覚。
 ギラリと光る、憎悪を越えたその正体。
 であるが故に、超常の感覚は検出してしまった。
 どうすべきかとレムリアは逡巡する。未然防止?それとも。
 必要なのは“加害者”を糾弾攻撃するのみならず、そうなってしまった経緯を自ら理解させ、そしてその為した残酷さを理解させること。順序と内容は応変……それがこの常滑の町でジタバタ動いての今現在の結論である。何のことはない。コミュニケーションの端緒を見付けて理解から、というステップは、被害者に対するアプローチと変わりはないのだ。最もそれは、いじめるという行為が、傷ついた自分の心を、他を傷つけることでバランス回復しようとする衝動、に基づくなら、相似を描いて当たり前。
 従うなら、未然防止を取るよりは……
「みんなが、私たちが来るまでに、少しでも治すという約束」
「そして、私たち自身が、必ずまたみんなに会いに行くという約束です」
「喜んでくれました。ありがとうって何度も言われました。元気が出てきたって」
「自分たちが、誰かの生きる励みになる。震えるような気持ちでした。日常の悩み、学校の成績なんか、些細なことに変わってしまいました……」
 
(つづく)

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