« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-214- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-216- »

グッバイ・レッド・ブリック・ロード-215-

←前へ次へ→
 
 すると……夢子は乗ってきた。切れた唇の端に笑みを刻み、それが再び出血を招き、レムリアを値踏みするように見回し。
「お前くらいなら50万堅いんじゃねーの?」
「安く見られたね」
 応じたら目が、瞳が開き、続いて歯を見せる。
「だってお前……ムネねーじゃんよ」
「ロリコンはつるぺた好みと聞いたけどね」
 更に応じると、“ちんぴらのニヤニヤ笑い”になってくる。ただそれは夢子にとって恐らく“普段の笑い方”。
「萌えとそういうのは違うんだよ」
「だったらニーズが違うって言いなよ言葉知らないね。すると何かい?顔はロリだが乳だけ牛みたいにでかい方がいいのかい?……って、お前さんも充分貧乳じゃんよ。人のこと言えるかい。しかも肌の色つやも悪い。だから化粧でごまかしてんでしょ?気にするならタバコやめなお歯黒さん。その年で脂肪が乗ってこないってのは異常だぞ?看護師の私が言うんだから間違いない。禁煙外来紹介してやる」
「うっせぇよ」
 そこでレムリアは姿勢を変えた。床に片膝を立て、その立てた膝に腕を載せ、首を伸ばして夢子の顔を見下ろす。
「最も、こんな私でも命がけで愛してる、って言ってくれる男いるけどね。いい加減生意気こいてると舌噛むよお前。私とタイマン張るなら10年くらい山奥こもって腹に寄生虫でも抱いて来な。赤い電車で栄に出かけて、札びらエサにゴミ溜めのゴキブリ集めて、世の中全部知ったつもりかいおバカさん。ナイフ見せりゃ誰だってビビると思ったら大間違いなんだよ。……それとも、そっち首突っ込んで名を上げたいってなら、赤線知ってるよ。アムステルダムには公娼制度があるからね。イタリアからマフィアさんも出張って来てる。口きいてもいいけど、ドジかましてアドリア海に首だけ沈んでも責任は持たないからそのつもりで。あっちだってバカからアシ付いてスコットランドヤードに追われるのはたまったもんじゃないだろうし」

 丁寧な言葉遣いで知性を散りばめた、しかし凄絶なスラング。
 
(つづく)

|

« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-214- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-216- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: グッバイ・レッド・ブリック・ロード-215-:

« グッバイ・レッド・ブリック・ロード-214- | トップページ | グッバイ・レッド・ブリック・ロード-216- »