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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-218-

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「腹割って話せて楽しかったよ子猫ちゃん。いい子ぶるのも大概疲れてたからね。言っておくけどこの手は友達になろうってんじゃないよ。んなとこ這いつくばってたら邪魔だからどけっての。いつまで悲劇のヒロインオフィーリア気取ってるつもりだい早く立ちな」
 レムリアは言うと、時代劇の罪人よろしく夢子を“引っ立て”。
 そして思い切り抱きしめ、赤茶の頭を撫でてくしゃくしゃにした。
 この可愛い子は。
「あ……」
 夢子は思わず、であろう、小さく声を発した……が、それ以上の反応はしない。
 その耳元で囁く。
「レズ気はないよ。だけどお前さんとは気が合いそうだ。今度来た時には友達になろう。みんな私の正体知るとタメ口聞いてくれなくなっちゃってね。それまでにお前のことグイグイ引っ張ってくれる男捕まえとけよ。今度は私が値踏みしてやるから。正体知りたいって言ったね、人呼んで魔女のレムリア。覚えといて。ああ、お前の方から遊びにきてくれてもいいよ。それこそ50万あればアムステルダムまで飛んで来られる。レンブラントくらい案内してやるよ」
「れん……れんぶ……?」
「栗のケーキじゃないよ。教科書開けば出てくる絵描きのオヤジさ。表でも裏でもアタマは必要。今日びバカだとどっち行ったって搾取される側にしかなれない。オレオレ詐欺だってソーシャルエンジニアリングってご大層なカテゴリ持った立派な学問だ。ニートかましても両親くたばればプー太郎。ウリやったってオバンになれば所詮ゴミ。サツにビビリながら中途半端に裏でイキがるより、ゴキブリ退治してヤニ切ってお日様の下でニコニコ過ごした方が結果としてマシだと思うよ?」
 レムリアは言うと、夢子から少し身を離し、彼女のネクタイを締め直し、ブレザーのボタンをきちんと留め、口角の血塊を拭い、もう止まったであろう鼻の脱脂綿を取った。
 
(つづく)

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