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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-229-

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 その理由。まず背景きっかけ。英語のテストで“クラス1位”の地位を奪われたこと。そして、親からそのことをギャンギャン罵られたこと。
 で、はけ口を真由自身に向けた。しかし実際には真由は英語満点で当たり前であり。
 やきもち焼いて申し訳ない。恥ずかしい。……というわけなのであるが、その実は敗北者意識ではないか、とレムリアは思った。悪いのは自分という認識自体はある。だが、真由に頭を下げるのは“屈辱”という意識もまた(まだ?)ある。
 そう思った元は、例のゲシュタルト崩壊おばさんの娘である。彼女を自暴自棄的な暴力へ追いやったのは、私立進学校への受験失敗だ。そこには、親の要求通りにならなくちゃ、それで当然、という強迫観念が背後に存在した。すなわち親による心理行動の束縛。……何のことはない、いじめの構図そのものである。
 同様で、この彼女には、“トップであるべき”という心理が無意識裡にこびりついているのだ。自分イコールトップという方程式である。
 いじめの加害者は、実は自身、どこか被害者であり、その傷ついた心のバランスを取るため誰か傷つける。諸因はさておき、それがいじめの基本的構図ではないか。……レムリアの一つの結論。
 ハッパ掛けるつもりが、受け取る側にはプレッシャー。
「オランダ来る?むしろ自分で好きにレール敷いて、好きな方へ行けるよ?」
 どうしても、というならそういう手もある、そんな意味で提案してみる。この街にいることが屈辱であるなら、ここにいなければいい。
 すると。
「さすがにそこまでは……」
「だったらちゃんと……」
 が、無言。
 そこで、
「しなくてはいけないこと、とは判ってる。でもそれはできれば避けたい……か」
 言うと、彼女は頷いた。
「ごめんなさい……」
「私に謝ってもしょうがないじゃん」
 首をすくめるだけ。
 
(つづく)

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