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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-240-

←前へあとがきのようなもの→
 
 真由は工房敷地に戻ったところであった。風に暴れる髪を抑え、頭上を見上げ、光条が西へ伸びて行く様を目で追う。
 風と光に驚いたようで、父親が飛び出してくる。
「……ああ真由。今の見たか!?あれは多分いん石が」
「違うよ。魔女が空飛んでったんだよ」
 真由はジャンバーのポケットに手を戻すと、顔色ひとつ変えず言った。
 父親は顔を上げ、横切る光条を見渡す。その描かれた光の航跡は、飛行機雲が風に散らされる様に似て、薄くなり消えて行く。ちなみに、この船はまず前後に光子圧力でチューブ状の空間を形成し、その中を進む。従い、端から見れば光の帯が伸び、消え去るという現象になる。
「……消えた」
 父親は呟き、ハッと思い出したように真由に目を戻す。
「そういや彼女は……お姫さんはどうしたんだい」
「だから、帰ったよ」
「えらく早いじゃないか。まさかお前、駅に彼女を一人で……ああ、タクシーか」
「まぁ、電話してすぐ来たのは確か」
「なんだそりゃ?……お前、少し変だぞ。彼女の風邪、うつったか?」
「だとしたら風邪じゃなくて魔法にかかったんでしょ」
「魔法か……」
 父親は携帯電話を取り出し、画面を開いた。
 それは送ってもらった写真のようだ。レムリアから副賞の小さな盾を受け取る父親自身。
「いたんだな。本物の姫様が。ウチに。それどころかお前を助けてくれた。それこそ、まるで魔法にでもかかった気分だ」
「最近は魔女も忙しいらしいよ。ホウキで飛ぶんじゃとても間に合わない」
「……かもな。しかし魔女か。……ふふ、案外そうかもな」
 父親は携帯電話の画面を閉じた。
 対し、真由は何か気付いたような表情を見せると、ポケットから自らの携帯を取り出した。
 その画面を開き、光去った方向を見上げ、小さく笑う。
 メールの着信であり、本文はたった一行。
 
Good-bye! Red Brick Road.
 
Good-bye Red Brick Road(グッバイ・レッド・ブリック・ロード)/終
 
(あとがきのようなもの)

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