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【魔法少女レムリア短編集】マジック・マジック-4-

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★★★★
 
 彼女は納得した。その子供達は外見が“欧州系”の人たちに極度の恐怖心を抱いているのだ。
 ……だから、東洋系である自分なら警戒心を抱くことはあるまい……この男の子はそう考えたのだろう。
「(行くよ。今すぐがいい?私はレムリア。あなたは?)」
「(ダリ。ダリ=ヘミリット。今でいいならすぐ来てくれよ)」
 男の子ダリは答え、コインをもう一度差し出す。
 彼女レムリアは首を横に振って、男の子の手を押し戻す。
「(それは成功してからいただくもの。あとでね)」
 レムリアは言うと、男の子の案内で孤児院へ向かった。以下邦訳のカッコ書きを略す。
 いつも賑やかな食品市場を横切り歩いて10分。孤児院は教会の裏にあり……そこが古い寄宿学校の校舎だとレムリアは知っている。
「シスター。シスターベレロワ!」
 白い柵で出来た扉を開きながら、ダリ少年が声を上げた。応じて各居室の窓から覗く顔、顔、顔。
 但し、窓に見えるどの顔にも警戒と怯えが感じられる。また、建物から笑い声やはしゃいで騒いでいる音は聞こえない。子どもがたくさんいるのに静かなのはゾッとしない。
 レムリアは窓の子達に笑顔を見せ、手を振った。子ども達はしばらくレムリアを観察するようにじっと見つめ、……なるほど、警戒は解かないが、避けるというほどでもない。
「ああ、ダリ、お帰りなさい。あらお友だ……」
 装束に身を包んだシスターの声にレムリアは目を戻す。
 シスターが自分を見、笑顔を作ろうとするのを見て、ちょっとイタズラ心。シスターに向け人差し指を口元に立て“し~っ!言わないで”。
「……うふふ。当院へようこそ」
 シスターベレロワは微笑んで言った。
「どうも。今日は町中で彼にハントされまして」
 レムリアはくすくす笑いながらダリ少年を指さす。ハントはガールハント。女の子へのラブモーション。
 対し、驚いて振り返るダリ少年。
「ハント……ちが……」
 真っ赤。
 
(つづく)

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