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【魔法少女レムリア短編集】マジック・マジック-6-

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★★★★★★
 
 子供達が絶句して身を乗り出す。シスターは傍らで見ながら首を傾げている。
 レムリアの手品は、持参した小道具を使うのではなく、その場で調達した物品で行うところに特徴がある。ゆえにタネも仕掛けもあるように見えない。鮮やかにして不思議極まりない、思わず首を傾げてしまう、となる。
「ああ、お庭に鳩が来てますね。ちょっと手伝ってもらいましょう。鳩さん鳩さんちょっと来て。……ダリ、窓を開けて。それからその隅にあるモップを持ってきて」
 ダリ少年が窓を開け、レムリアは鳩に手招きする。
 窓から飛んで中に入ってくる鳩。
 動物との意思疎通。子供達は開いた口が塞がらない。
 レムリアはイスの上にひまわりの種を幾らかパラパラ。
 ダリ少年が子供達同様、不思議そうにレムリアと鳩を見ながらモップを持ってくる。但しモップといっても樹脂のパイプとストッキングの切れ端を使った手作りのもの。
「ではこの種を魔法のほうきで……」
 レムリアが子供達に説明を始めると鳩が種をつついて食べる。
 子供達が言いつけるように指さして指摘。しかしレムリアが鳩に目を向けると。
 鳩は知らんぷり。
「食べた?」
 無視して羽繕い。
「……やりなおし。このほうきの柄に種を入れると一瞬で花に……」
 また種をつつく鳩。子供達の声。
 しかしやはりレムリアが鳩を見ると、鳩は澄まし顔。
 そこでレムリアは唇に指を当て、子供達に“し~っ”とやると。
「この柄に種を入れると一瞬で花になる手品を……」
 と、言いながら、鳩にそーっと目を向ける。
 すると、種をくちばしにくわえた鳩と丁度目が合った。
「それ、どうするの?」
 レムリアが尋ねると、鳩はパイプ柄の中央の空洞に種を入れた。
 その途端、レムリアはモップをくるりと一回転。
「はい!」
 種を入れた穴から、小型のひまわり一輪出現。子供達は大喜び。
 レムリアはそれを一番幼い女の子にあげた。
 女の子が受け取る。まだ話せないのだろう。レムリアを見てただニコニコ笑う。
 それはそんな幼いのにみなしごであることを意味する。
 気を取り直して、
「……さあ、それでは今日最後の手品です。シスター。コインをお持ちですか?」
「え?あ、ああ。……ちょっと待っていて」
 シスターがニッコリ笑い、食堂を出る。
 程なく戻ってきてレムリアに手渡したのは。
  
(つづく)

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