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【魔法少女レムリア短編集】マジック・マジック-7-

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★★★★★★★
 
 大きなソラマメ。
「お金はこの子達にはちょっと」
「判りました」
 レムリアは受け取ると。
「ダリ、手伝って」
 豆を投げる。ダリは笑って受け取ると、右手に握って高く掲げた。
「さあ~みんな見てな。このお姉ちゃんがこの豆をどこかへ動かしちゃうよ」
 子供達の目が輝き、視線がダリの手とレムリアに注がれる。
 レムリアはモップの柄でダリの手を指し示した。
「アン、ドゥ、トロワ!」
 ダン!……と、タップダンスの要領で床を鳴らす。
 が、すぐに彼女は下唇を噛んで下を向いた。
「……ごめんなさい。失敗しました」
「え……」
 ダリ少年が目を円くし、子供達から笑みと歓声が消えた。
 静まりかえる。ダリ少年が手を開く。
 豆はそのまま。
「……ごめんなさい」
 頭を下げるレムリア。がっかりしたような子供達。
 場が白けてしまった。
「……これで終わりにします。どうもありがとう」
 レムリアは言うと、広げた道具を抱えて即座に食堂を出た。
 廊下で荷物をまとめる。子供達は黙ったまま。
 イスを畳み、担いで歩き出す。シルクハットには鳩とウサギ。
 背後で食堂のドアがガラリと開いた。
「待ってよ」
 ダリが走ってくる。逃げても追いつかれる。レムリアは立ち止まった。
 ダリはレムリアの前に立った。
「待てよ。……うまく行かなかったみたいだけど、あげるものあげなくちゃ」
 差し出される50セント。レムリアはうつむいたまま。
「だ~め。失敗したから私……」
「わざと、だろ?君が失敗するはずないって。僕に払わせないようにするためだろうって。“ミラクル・プリンセス”様」
 その言葉に、レムリアはゆっくり顔を上げてダリを見た。
 シスター、言っちゃったんだ……。
「でも……」
「オーケー判った。払わない。君のショーは失敗だ。でもこれはこれで受け取って欲しい」
「え?」
「出演料じゃない。レッスン料さ。僕にもマジックを教えて」
 ダリはレムリアをじっと見た。
 レムリアは彼から目線を外す。ダリは食い下がるようにレムリアの手首を握る。
「みんなに楽しんでもらいたいんだ。それに……僕が覚えれば僕自身が小遣い稼げる。みんなにお菓子とか買ってあげられる」
 
(次回・最終回)

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