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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-007-

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「でも……」
「謝ってくれるな。逆に辛い……で?誘うってのは、この船に乗れってか?」
 相原は目線をレムリアから外し、背後の船へと移して言った。その船のスロープには、時間が掛かっていると思ったか、男が一人、姿を見せている。
 大柄で、金髪碧眼で、〝塊〟という文字を思わせる北欧系の体躯の持ち主。
「アリスタルコス」
 相原は言った。
 


 
 説明すべき事が多くある。
 まず端的には、相原が夢だと思っていたことは現実そのものだった、と書ける。
 船の中には普段レムリア他計6名のクルーが乗り組む。そして、地球全体を対象にした救命ボランティア活動を展開している。満月の夜に活動することから、船の名を取り、アルゴ・ムーンライト・プロジェクト(Argo Moonlight Project)と称する。
 空飛ぶ船に魔女という組み合わせから察せられるように、通常の同種ボランティアとは狙いも活動パターンも大きく異なる。招聘された他のクルーもそれぞれに〝超人的〟能力の持ち主であり、持ってして〝奇蹟〟を起こして命を救うことを使命とする。本拠は欧州東端の小王国、コルキス(Colchis)に在する。
 対して相原は根本的に何の関わりも持たぬ東京郊外の大学生であったが、昨年冬、二人が出会うことになる。人身売買組織に拉致された子ども達の密輸船をアルゴ号が発見、中に日本の女の子が含まれていると判り東京へ急行、その際たまたま出会った、しかし信頼できると超感覚が囁いた相原にその子を託したのである。
 対して、相原が行方不明の女の子を伴って突如現れたのは不自然であって、相応の嫌疑と、とりわけ恋の相手からは変態少女趣味に伴う誘拐者のレッテルを貼られた。嫌疑自体はアルゴプロジェクト側の国家レベルからの働きかけ、当の女の子の証言で晴れたのであったが、恋は戻らなかった。
 
(つづく)

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