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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-008-

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 二人が再度出会ったのはその頃である。人格崩壊寸前で雪原を彷徨う相原をレムリアが発見し、アルゴ号へ搬送した。その際、工学系の学生というプロフィールを反映し、船の仕組みとプロジェクトの救助活動を幾つか聞かせた。相原が託宣的に得た物語と認識しているのはその内容であり、応じて船やクルーについて、彼女がレムリアであり、大男がアリスタルコスと称することも知っている。
「でけえな」
 相原の物言いをレムリアが通訳する。英語である。アリスタルコスはガハハと笑い、耳栓状の小器具を耳の穴に押し込んだ。
 同じ器具をレムリアがウェストポーチから取り出して相原に渡す。相原も同様に耳にねじ込む。
「相変わらず小せえな」
 アリスタルコスが言い、少しあって、相原の耳栓器具からそのように日本語が聞こえてくる。
 イヤホンマイクであり、翻訳システム越しにもたらされた声。
 相原は「うるせえ」と応じ、隣に並んで数回ジャンプした。相原の身長は168、対するアリスタルコスは2メートル。ジャンプしてどうにか横に並べる位か。
「なんでこんな奴連れてきた」
 相原はレムリアに向かって言った。
「こんな奴連れ込むのか魔女っ子」
 アリスタルコスも負けていない。
 レムリアは二人のやりとりに小さく笑った。少なくともケンカするような間柄にはならないと判断できる。何か言う都度、いちいち背伸びしたりジャンプする相原の動作が可笑しい。
 自分を笑わせるためだと判って少し気が引ける。
「で?来るのか来ないのか。どっちだ」
 アリスタルコスが尋ね、ジャンプする相原の頭に片手を載せ、文字通り押さえつける。
「乗ってやる分には構わんが、その小せえのを連れ込んで何やらすつもりだ?」
「聞いてないのか?」
 相原の反応に、アリスタルコスは抑える手の力を緩めた。
「何をだ?」
 相原はジャンプして訊いた。
「船長の身代わり……」(身代わり、はシステムの誤訳だろう。代打あたりが妥当)
「は?」
 
(つづく)

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