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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-015-

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 レムリアとしては、相原が心底納得して意思表明をしてくれたのか、少し引っかかる部分はある。が、ここまでの経緯からして、蒸し返すようなことを言えば、多分彼は怒るであろう。
 いい、と言うなら、いい……というコトにしておこうか。
「レムリア?」
 立ち止まったままのレムリアにセレネが声。
「あ、はい」
 促されてコンソール中央左、自席へ。そして。
「船長席はあちらです」
 セレネが相原に手首を返して指し示す。それはテレビのテーブルより右方向。
 大学の講堂のようにひな壇状のコンソールが配されており、応じた人数乗り組むことが可能と推定される。しかし現時点コンソールに機器はなく、椅子もない。
 そのひな壇最上段。
 大振りな革張りの椅子があり、ディスプレイが三面鏡のように立ち上がっている。
 船長席。
「え?いいんですか?」
「救助ルーチンの起動は総員の同意と船長の操作が揃わないと不可能です」
 相原はおっかなびっくりという感じでひな壇を上がり、見渡す視野の頂点に立つ。
 その眺めは名実共にSFに出てくる宇宙船の内部である。ただ、虚実のそれらと異なるのは、ひな壇中腹、船体右舷部分に植え込みで囲まれたベッドがあり、セレネがそこで横座りしていること。傍らには妙にケーブルの多いヘッドホン……と形容できる機器。
 相原は革椅子に腰を下ろした。
 椅子が着座を検知し、3面ある画面の中央がパスワード入力表示。
 相原はコンソール下の引き出しを引き、現れたパソコン用のフルキーボードに指を揃える。
「えと、じゃぁ、行きますよ」
「はい、お願いします」
 セレネが応じる。会話だけ取れば、これから空飛ぶ船が起動するとはとても思えない。
 相原がはんてんの袖をまくってパスワードを打ち込む。指紋認証など厳密性を要求しないのは、そもそも船に乗ること自体乗組員の総意によるため。
 
(つづく)

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